侍ジャパン・藤平尚真、代表初選出で6戦防御率0・00 屈辱の「銀」も…未来へつながる侍超新星
ラグザス「第3回WBSCプレミア12」決勝(24日、日本0-4台湾、東京D)まさに大車輪の〝奮投〟だった。侍ジャパン初選出でブレークした藤平尚真投手(26)=楽天=は、決勝でも1回無失点の好救援。今大会6試合に登板し防御率0・00で終え「優勝して喜びを分かち合いたかったが、個人としては成長させてもらった大会。もっと上を目指したいと思った」と誓った。 13日のオーストラリア戦、15日の韓国戦をいずれも3者連続三振斬り。チェコとの強化試合を含め9者連続三振と圧巻の投球を見せ、代表でも勝ちパターンに定着。2連投した大勢に代わって1点リードの九回を任された17日のキューバ戦では、1死満塁の大ピンチを連続三振で切り抜け初セーブを挙げた。 中学、高校もアンダー世代の侍ジャパンに選出。2017年にドラフト1位で楽天に入団するも、昨季まで1軍定着の手がかりをつかめずにいた。「2、3年前はファームで抑えるのもままならない状況。これからこの世界でやっていけるのかなと不安だった」と当時の心境を吐露した。 オフの自主トレでは横浜高の先輩で通算162勝、37セーブの涌井(中日)や通算164勝の岸(楽天)の姿を見て学び、8年目の今季は中継ぎに本格的に転向し素質が開花。「自信を持って投げ込めて、気持ちの面でも強くなった」と語る。シーズンは自己最多47試合に登板し、防御率1・75をマーク。「(首脳陣が)使い続けてくれたことで、試合で覚えることがたくさんできましたし、ストライクゾーンで勝負できるようになった」と精神面での成長を躍進の要因に挙げた。 同学年の山本(ドジャース)、牧らが出場した昨年3月のWBCは「本当に野球を辞めて次、何しようくらいの感覚でいた。ファンと同じような目線で見ていた」という右腕。今大会の飛躍で次回大会の出場が現実味を帯び、「もっと自分の技術を磨いて、そこに選ばれるように頑張ろうという気持ちになれた」と飛躍の大会を終えた。(浜浦日向)