SNSが斎藤元彦氏再選の原動力 参院選へ各政党が警戒するネットの「バズり」
斎藤元彦氏の再選は、X(旧ツイッター)やYouTubeなどのSNS・動画サイトが一つの原動力だった。有権者は新聞、テレビなど既存のメディアより、SNS上の情報を基に一票を投じたといわれている。斎藤氏はこの日の会見で「私は(既存メディアとSNSの)どっちに真実があるかないかは言っていないと思います」と話した。 新聞やテレビは選挙戦が始まってからは、公平性を保つために、特定の候補、政党に偏った報道を控える傾向にある。SNSにはそれがない。斎藤氏には“勝手連”的に約400人のデジタルボランティアが結成され、演説・主張をSNSに次々と投稿。それがさらに拡散され、最終的に膨大な数の有権者が目にすることになった。選挙関係者は「対立候補に関する偽情報も同時に広がった。SNS全盛の時代に、フェイクニュースを見抜くネットリテラシーも求められる」と指摘する。 NHKの出口調査では「SNSや動画サイトを参考にした」が30%で、「新聞」「テレビ」の24%を上回った。SNSや動画サイトを参考にした有権者のうち、70%台半ばは斎藤氏に投票していた。 各政党は来夏の参院選へ警戒を強める。自民党幹部は「無党派層が多い都市部の選挙は気をつけないといけない」、立憲民主党執行部の一人も「ネットで“バズる”影響は大きい」と帯を締め直した。