【車両重量920kg】 第4世代スズキ・スイフト クルマとの対話を楽しむMT仕様のコスパ良し
走り込むほどに魅力がわかり楽しくなる
エンジン回転を3000回転以上に保って、クルマをキビキビと走らせれば、さぞや騒々しくて、しかも燃費に悪そうなもの。 ところが、エンジン回転数が5000や6000になっても、エンジンの振動と音の大きさは、それほど大きくならない。逆に「あれ、いつの間にか、こんなに回ってたの?」と思うほどだ。また、街中や高速道路などを走り回った試乗で、メーターの表示する燃費は20km/L以上をキープしていた。 正直、マイルドハイブリッドのモーターアシストは、さっぱり実感できなかったが、見えないところで燃費向上に働いていたのだろう。どんどんエンジンを回しながら走っても、うるさくなく、燃費が悪化しないのは嬉しい驚きであったのだ。 そして、足回りの仕上がりの良さも特筆すべき点だ。ロールもピッチングも少なく、常にフラットな姿勢を保つ。それでいて、鼻先を引きずり回すような強引さもなく、素直に曲がってゆく。 路面のインフォメーションをしっかりドライバーに伝えつつも、悪路での突き上げはマイルドにいなす。MT仕様の場合、車重がわずか920kgしかないのも、足回りの良さに貢献しているのだろう。やはり軽いことは正義だ。 パッと乗った時に最初に感じるのが、クラッチミートの曖昧さであり、エンジンのトルクのなさといったネガティブさだ。 しかし、走り込むほどに、クラッチの扱いやすさ、エンジンとの対話の楽しさ、意のままのハンドリングと乗り心地の良さといったポジティブさが見えてくる。 走るほどに魅力がわかる。それが「スイフト」のMT仕様であった。しかも、価格は192万2800円。これほどコスパよく、運転が楽しめるクルマは他にない。
試乗車のスペック
価格:192万2800円(税込 オプションなし) 全長×全幅×全高:3860×1695×1500mm 燃料消費率:25.4km/L(WLTCモード) 駆動方式:FF 車両重量:920kg パワートレイン:直列3気筒1197cc 使用燃料:ガソリン 最高出力:82ps/5700rpm 最大トルク:11kg-m/4500rpm モーター最高出力:3.1ps/1100rpm モーター最大トルク:6.1kg-m/100rpm 動力用主電池:リチウムイオン電池 ギアボックス:5速MT タイヤサイズ:185/55R16(フロント)185/55R16(リア)
鈴木ケンイチ(執筆) 小川和美(撮影) AUTOCAR JAPAN(編集)