『無能の鷹』『団地のふたり』カギはキャラクターにある? 続編が期待できるドラマ「3つ」のポイント
人気俳優主演のドラマはシリーズ化が難しい
人気ドラマが終わるたびに「続編希望!」「シリーズ化してほしい」という声があるものの、実現したのはごくわずかです。 中には、シリーズ化や映画での続編が前提で制作されるドラマもありますが、人気俳優を起用したストーリー性のある作品は、どんなに人気があったとしても、脇役をメインにしたスピンオフや、半沢直樹のように何年も時間をかけて実現するのがせいぜいでしょう。 かつては、『北の国から』『白線流し』『ふぞろいの林檎たち』などという、作家性ある名脚本家が手掛けたストーリー重視のシリーズ作品がありましたが、それは昔の話。WEBも含め、多くの媒体があり、働き方改革などが叫ばれる昨今は、多くの役者や監督・脚本家などのスタッフを再集結させるためのスケジュールを組むのは非常に難しいことです。 人気ある俳優は2年以上先までスケジュールが埋まっていることなどザラにあり、現に1本のドラマを作るにあたって、放映の1年半以上前から企画が動きはじめることが慣例のスケジュールとなっています。 しかし前述した、「わかりやすい設定と濃いメインキャラ」がドラマ内にあれば、軸のスタッフ数名と主役がそろえるだけで作品として成立するため、シリーズ化がしやすい。そしてシリーズ作品となればヒットの予想も立てやすく、スポンサーも集まりやすい。人気作となれば、ドラマ制作のための企画書も2~3枚程度で通るとも言われています。
秋ドラマでシリーズ化が期待されるのは『無能の鷹』
上記をふまえて、この秋に放映されたドラマで続編やシリーズ化が期待できるものとして挙げられるのは、ズバリ『無能の鷹』(テレビ朝日系)と『団地のふたり』(NHK)でしょう。 いずれもほぼ1話完結で、キャラクターが生き生きしており、設定も分かりやすい作品になっています。いずれも原作ものの作品ではありますが、『民王R』のように、世界観を壊さないことが前提で、原作設定の中で自由にうごける了承が得られれば、ドラマに限らず、映画など、多くの展開も期待できそうです。