古着ミックスと異素材ミックス「masterkey(マスターキー)」の唯一無二のデザインワーク
「岸和田市は昔から古着文化が盛んで、1990年代のヴィンテージブームも経験していたので、身近に古着があった世代だったと思います。 アップサイクルに使う古着の調達で協力してくれる会社があるのですが、たとえばそこに『フットボールTシャツが200枚あります』とか『サッカーシャツが250枚あります』とかそういう単位で出てきた古着を全部仕入れてそれを解体し、素材として使っています。
色や素材で分けて赤が何枚、青が何枚という具合に把握して、それをどう散りばめたら個体差なくアイテムが作れるかを考えるので、デザインはもうそこからはじまっている感じです。 デッドストックの生地も同様で、何反あるから、何に使おうみたいなことは、材料として仕入れる際に考えることが多いです。そうやって仕入れた古着のアップサイクルは自社のアトリエでやっています。 複雑なうえに素材の色やコンディションなど、一つひとつを見て縫っていかなくてはならないので、外注には出さずスタッフ総出でやっています」
障害者支援施設との取り組み
古着の仕入れや、縫製工場など、さまざまな協力会社があるなか、障害者支援施設との取り組みもmasterkeyを語るうえで重要な事柄のひとつだという。
「障害者支援施設には古着の解体をお願いしています。それだけではなく施設活動の一環として『さをり織り』という織物があるのですが、彼らが織ったものを三つ編みして作ったウォレットチェーン『WOVEN-CHAIN(ウーブン チェーン)』というアイテムをリリースしています。
さおり織りは縦糸の色は決まっているのですが、横糸は施設のみんなが自由な色で作っているので、予定調和ではない個性的な色合いになることが多くて、そこがいいところなんです。
自分たちが織ったさおり織りからできたWOVEN-CHAINをアーティストがつけてくれたり、ファッション雑誌などに掲載されたりすると、本人やそのご家族が、みんな喜んでくれるんです」