古着ミックスと異素材ミックス「masterkey(マスターキー)」の唯一無二のデザインワーク
古着や、さまざまな素材をミックスさせた唯一無二な服作りが特徴的なブランド「masterkey(マスターキー)」。その個性的なスタイルと真似のできないクオリティで多くのファンを魅了している。今回はデザイナーのイシバシトモヒロさんに、ブランドのルーツとその服作りについてお話を伺った。
ショップに置いた1台のミシンからアトリエへ
「立ち上げは20年ほど前になります。大阪市、南堀江でセレクトショップという形からスタートしました。それから展示会を開くようになってオリジナブランドができ、自分のお店以外にも取扱店が増えて、という流れがあります。 お店にミシンを置いて、古着のアップサイクルとセレクトアイテムの販売、オリジナルブランドの3足の草鞋でやっていたのですが、仕事も忙しくなっていくなか、ショップよりもアトリエが必要になり。そこで岸和田市にアトリエを作って、自社ブランドも古着のアップサイクルも集約した今の形になっていきました」
“生活に必要な洋服”ではなく“人生を豊かにする楽しい洋服”
masterkeyというブランドを知るにあたり、「古着ミックス」と「異素材ミックス」がキーワードとなる。ここからはイシバシさんのデザインワークを紐解いていこう。 「よく『リメイクやアップサイクルのブランドですか?』と聞かれるのですが、実は古着ミックスのアイテムは全体の2~3割しか実はなくて、古着ではない異素材ミックスのアイテムも合わさってそういうイメージを持たれている方が多いと思います。 ブランドとしてもそういうイメージを持ってもらってかまわないのですが、引き算のデザインというか、シンプルにデザインしているアイテムというものはあまりなくて、素材であったり、切り替えの多いパターンであったり、どこかしらに工夫が施されているものがほとんどです。 そこには『生活に必要な洋服』ではなく『人生を豊かにする楽しい洋服』というメインテーマがあり、それに基づいてデザインワークに取り組んでいるという意識があります」
タイダイ染めの「古着ミックス」と「異素材ミックス」
ここからは2024年春夏のアイテムを見ていこう。先ほどから話題に出ている。古着ミックスと異素材ミックスで、それぞれタイダイ染めのアイテムがある。この2つを見ながらデザインアプローチを聞いていこう。