近づく夏とリオ五輪 「ジカウイルス」いまだに多い謎
「分かっていること」と「分かっていないこと」
研究が進んだとはいえ、まだまだ分からないことが山積みです。分かっていることと、分かっていないことをCDCでは、表のように分類しています。 また、ジカウイルスによって小頭症以外にも、目や耳に障害が生じたり、成長の阻害が起きたりすることが分かっています。 ジカウイルスの研究には、潤沢な資金が投じられ始めているので、徐々に解明されていくことが期待されています。
感染しない・広げないためにできること
海外へ行く理由にはいろいろあり、止めることは難しい場合も多いでしょう。渡航先がジカウイルス感染症の流行している地域かを調べる場合には、厚生労働省検疫所の「FORTH」で最新情報をみることができます。同じ地域の別の感染症の情報なども調べることができます。(妊娠中の方や妊娠の可能性のある方のジカウイルス流行地への渡航は自粛が求められています) 渡航先では、肌を出さない長袖、長ズボンのスタイルが推奨されています。蚊が嫌う成分ペルメトリンを含む服も有効です。虫除けには、ディート(DEET)という化学物質が入っているものを利用すると効果的です。日本では最大12%含量のものしか売っていませんが、海外では20%程度含まれているものも売っています。12%程度の場合は2時間に一回塗り直すと効果が持続します。(使用の際は用法や用量を確認のうえ、正しくご利用ください。小さいお子さんへの利用は注意が必要な場合があります) 蚊に刺されたことに人間が気づけるのは、たいてい蚊に血を吸われた後です。できるだけの対策が求められています。 帰国して、症状が出たらすぐに病院を受診することが求められています。そのときにきちんとどの国に渡航したのかを伝え、診断をしてもらうことが重要です。現在、日本ではジカウイルス感染症患者について、国への報告が求められているからです。 また、症状が出ず、蚊に刺された覚えがなくても、自分自身がほかの人にうつすことがないよう、少なくとも2週間は蚊に刺されないような対策が厚生労働省により求められています。 さらに、ジカウイルスは血液中に存在するため、献血の自粛も求められています。パートナーとの性行為は、感染のリスクが報告されていることもあり、最低4週間、妊娠中のパートナーがいる場合は妊娠中ずっとコンドームを使用することや性行為を避けることが求められています。加えてCDCでは、どんな性行為でもはじめからおわりまでのコンドームの使用の推奨や、性行為を避けることが唯一のジカウイルスを媒介しない方法であるとしています。