「大人びたGK」本馬諒人が勝負強さを発揮!三重、PK戦の末に難敵・四中工を下しV王手
令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)三重予選は31日、準決勝を実施。両者譲らずPK戦までもつれた四日市中央工と三重による一戦は1-1(PK:5-4)で三重が勝利した。三重は2日の決勝で津工と対戦する。 【フォトギャラリー】四日市中央工 vs 三重 昨年、このカードは4度実現しているが、3勝1敗と四中工が勝ち越し。全国大会出場がかかったインターハイと選手権はともに準決勝で四中工が勝利している。この日も苦しい試合展開となり、満足のいく試合内容とは言えなかったが、それでも白星を手繰り寄せたことに意味がある。 「十何年、三重高にいますが、1-1からの一発で食われるのが四中工の強さというか嫌な部分。浅野拓磨がいた時も接戦になりながらも、最後に決めてきた。(今日は)自分たちのやりたいことができていない中で、我慢強くやってくれたからの勝利」。徳地俊彦監督の言葉通り、三重にとっては価値のある白星となった。 「久しぶりのサッカー。こんな良い舞台でみんなが応援もしてくれていたので、勝たなければいけないという気持ちだった」。そう振り返る三重のFW8水野愛斗(2年)が放ったドリブルからのシュートで幕を開けた一戦は序盤から一進一退の攻防が続く。 前半11分には自陣で味方のクリアボールを拾った四中工のMF17小久保圭皓(3年)が相手ゴール前で運んで放ったシュートはGKの正面。続く13分には右サイドから入れたロングスローのこぼれ球を自ら拾ったMF10若松音冬(3年)のパスからFW13増田莉久(2年)がゴールを狙ったが、先制点は生まれない。MF8橋本紘和(3年)らが繰り出す三重の仕掛けに苦しむ場面も見られたが、前半25分には左CK獲得。MF7杉田直織(3年)のキックが直接決まり、四中工が均衡を崩した。 「オープンな試合にせず、自分たちの流れを作ろうと意識していたのですが、やっぱり四中工さんが相手になると難しい。自分たちがボールを持てる時間が少なかった」(徳地監督)も失点直後に盛り返す。31分にはDF4辻有稀(3年)、MF30加藤蒼大(2年)と繋いだボールがゴール前の水野へ。上手く相手DFと入れ替わって、フリーとなった水野は「いつも1対1をGKの本馬諒人と練習してきたので、ここだなと思っていた。流し込むだけだった」と冷静にゴールの隅へと流し込んで、試合を振り出しに戻した。 後半は「相手を困らせながらPAに侵入して、最後はGKと1対1や2対1でフィニッシュという形を今年はテーマにしていた」(徳地監督)三重が見せ場を作る。後半3分には右サイドDF上田翔大(2年)が水野からのリターンを貰いなおし、クロスを上げるとCKをゲット。右から上がったボールをMF11森田直(3年)がヘディングで合わせたが得点には至らない。5分には橋本からのパスを受けた加藤が左サイドを突破。PA左から放ったシュートは枠の右に逸れた。 1対1のまま迎えた延長戦でも拮抗した展開は続く。延長前半2分には高い位置で奪った小久保が前に出たGKの隙を突いてゴールを狙ったが、シュートは枠の外。7分にはFKから放ったDF2牧野蹴斗(2年)のヘディングシュートもクロスバーに嫌われた。三重はこのピンチから繰り出したカウンターから橋本がシュートまで持ち込んだが、GK1西口友愛(3年)の攻守に阻まれ、勝負の行方はPK戦に委ねられることになった。 ここで勝負強さを発揮したのは「大人びたGK」と指揮官が評する三重のGK1本馬諒人(2年)。3本目のキックを防ぐと、三重はキッカー全員が成功。1-1(PK:5-4)というスコアで三重が決勝行きのチケットをつかみ取った。 (取材=森田将義)