自宅の玄関前でペットボトル飲料を飲む男。殺人などの疑いで逮捕された塗装会社社長・佐々木学容疑者（39）です。 会社の同僚の高野修さん（当時56）を線路内に入るよう仕向け、殺害した疑いが持たれています。 発生当初、自殺とみられていた高野さんの死。 死に至る直接的な行為がない事件で、殺人容疑という異例の逮捕に踏み切った決め手の1つはスマートフォンに残された音声でした。 事件は2023年12月、東京・板橋区にある東武東上線の踏切で起きました。 近隣住民によると、この踏切は駅から離れているため、電車は速度を落とさずに通過するケースが多いということです。 佐々木容疑者とともに逮捕されたのは、従業員の島畑明仁容疑者（34）、野崎俊太容疑者（39）、岩出篤哉容疑者（30）。 4人は会社の同僚の高野さんを暴行し、車に監禁。 その後、島畑容疑者と野崎容疑者が高野さんを川に飛び込ませる目的で橋に向かったとみられています。 しかし、高野さんが川に飛び込むことを拒否したため、2人は高野さんを車に乗せたまま橋から直線で4kmほど離れた現場の踏切へ。 この移動中に野崎容疑者が「川は嫌だけど電車なら飛び込めるって」という趣旨の発言をしたことがスマートフォンに残っていたといいます。 事件直前の現場近くの映像には、踏切横の道に車が停車しライトを消し、しばらくすると、踏切付近で人が動いているように見える様子が捉えられていました。 この数十秒後にやってきた電車が踏切を越えて停車しました。 高野さんは、この列車にはねられ亡くなりました。 近隣住民: （事故発生当時の状況は?）ドーンというような音。すごい音だからすぐわかる。心肺蘇生していたけれどもちょっとやっただけでやめちゃったね。 容疑者と高野さんはどのような関係だったのでしょうか。 高野さんは佐々木容疑者ら4人と一緒に10年ほど働いていました。 高野さんは殺害される直前、給料が支払われず食べ物だけを支給されるケースもあったということです。 また、容疑者4人が「高野さんが邪魔だ」という趣旨のやり取りをしていたことも新たにわかりました。 佐々木容疑者らを知る人は…。 佐々木容疑者を知る人: バーベキューか分からないですけど、にぎやかにしているのは何回か（見た）。熱心に野球指導しているイメージ。いつもキャッチボールしたりいろいろ教えているイメージ。 野崎容疑者を知る人: 普通だよ。ちゃんと挨拶するし、良い子だったよ。そんなことを（起こすとは）信じられない。お母さんショックだろう。 高野さんにプロレス技をかけたり、やけどを負わせるなど、日常的に暴行を加えていたとみられる佐々木容疑者たち。 警視庁は、暴行がエスカレートし、指示を拒否できない状況に高野さんを追い込んだとみて、犯行に至った経緯を詳しく調べています。