9番から始まるロイヤルズ・青木の逆襲「上原との対決で感じたもの」
中飛に終わった最後の4打席目にも収穫があった。マウンド上にいたのは、レ軍の守護神、上原浩治。メジャーでの初対決だった。初球90マイルの直球で1ストライクを奪われてから、2球スプリットをファウルした後の4球目はライナー性の中飛。19セーブ目を挙げた上原が「最高の打ち取り方。ああいうアベレージヒッターを打ち取るには、ライナー性の外野フライが理想的」と自画自賛した一方、青木は「惜しい当たり? それとも、打ち取られた?」と質問され、少し考えた後で「両方。打ち取られた感もあるし、かといって、甘いボールは唯一あれだけだったから。惜しかったな」と振り返った。 ヤクルト時代には何度も対戦している上原。「元々甘い所には投げてくれない打ち辛い投手だった」。予め持っていたイメージを呼び起こして打席に入り、「打てそうだったのは、最後のボールだけ」と狙い球にバットが出たアプローチには、好球必打を身上とする本来の打撃スタイルの一端がみえた。青木の感触では、捉えたのはバットの先。「あれを何とかセンターの前に落としたかった」と悔しがる一方で、「次は落ちるような打席にしたい」とキッパリと言った。上原との久しぶりの対戦は、何かインスピレーションを与えたかもしれない。 悔しいことが多かった前半戦を断ち切るように、丸刈りにして故障者リストから復帰した青木。アリーグ中地区2位で首位タイガースを追うチームも、プレーオフを十分射程距離にある中、後半戦に賭ける思いは並々ならぬものがある。「やっぱり成績を残さなきゃいけないし、もっともっと良い打席を増やしていきたいと思っている」。 逆襲の時がやってきた。