9番から始まるロイヤルズ・青木の逆襲「上原との対決で感じたもの」
後半戦開幕の転機を新たなチャレンジと受け止めた。初見参の敵地フェンウェイパーク。レッドソックス戦に備えて球場入りしたロイヤルズの青木宣親(32)は、クラブハウスに張り出されたメンバー表で「九番・右翼」を確認する。メジャー移籍後332試合に先発出場し、一番で299試合、二番で33試合先発した青木が、初めて「打順・九番」に入ったのだ。 「うーん、成績がね…。自分が思ったような結果を残していない訳だし、監督がテコ入れするのは仕方ない。与えられたところでしっかりプレーすることが大事。でも、九番と言ってもスタメンで出ている訳だから、ショックを受けている場合ではない」。現実をありのままに受け止めた青木は、ポジティブな姿勢を崩さなかった。 2年在籍したブルワーズからロイヤルズに移籍した今季、打率は4月上旬を除いて3割に届かず、右腕などを直撃した複数の死球禍にも泣かされた青木は、6月21日には左脚付け根を痛めてメジャー初の故障者リスト入りを経験。11日に復帰したが、今季は過去2年に比べて苦しい戦いが続いているのは、間違いない。 開幕から青木を「一番右翼」で固定してきたヨスト監督は試合前、打順の組み替えについて「ケインが今当たっている。あと左右のバランスを考え、下位からでも攻撃の糸口をみつけられるように」と説明。更に「青木は安定感した攻撃、ダイソンは守備とスピード、イバネスはパワー。3人の特徴を対戦相手に応じて使い分けていく」と外野の構想を語った。故障者リストから復帰した青木に慣れ親しんだポジションを確約せず、流動的な起用を示唆したことになる。「試合が始まれば、一番も九番もそんなに大きな変わりはない。ただ、廻ってくる回数が違うし、試合展開が遅く感じた。でも、いつも以上に冷静にしっかりと試合をみながらやれたと思う」。 先頭で迎えた第2打席はレッドソックスの右腕バックホルツに0-2と追い込まれてからスプリットを中前に運ぶと、牽制をくぐり抜けて二盗を決めた。初対戦の投手だったが、試合前にビデオを確認。「情報はあったし、クイックでなければ、走れるピッチャーだと思ったし、タイミングを見計らっていた」。二死後に4点目のホームに生還し、この日一番で起用されたケインが4打席無安打に終わった中で、存在感をアピールした。