【特集】知られざる航空自衛隊『幹部候補生学校』に潜入 国を守るためには「結果が全て」という厳しい“指導”の日々…自堕落な生活からエリート自衛官を目指す青年の葛藤と成長に密着
(教官) 「それが幹部自衛官なの?」 (川島さん) 「違います」 (教官) 「誰だってできるんだよ、言われたことをやるだけなら。レベルが低すぎる」 (川島さん) 「はい!ありがとうございます!」 (教官) 「『ありがとうございます』はいらない。答えられてないんだから」
自衛隊の任務は『練習試合なし』で『成果が全て』 自らの能力を伸ばすため、あえて難しいことにチャレンジし続ける日々「まだ成長できる」
実弾を使った射撃訓練では、川島さんも生まれて初めて実弾を手にしました。幹部になれば射撃を指揮する立場になるため、小銃を自らが撃つことはありません。
この訓練の目的は、『銃を撃つ部下の気持ちを知ること』。自衛隊は、専守防衛とはいえ、戦闘力を持った組織です。
2023年9月。この日、9か月のうちで最も過酷な訓練が始まりました。災害派遣を想定し、重い荷物を担ぎながら24時間行進を続けます。その距離、60km。
(川島さん) 「肩、痛いな…肩、いってるわ」
100人規模の隊を指揮する隊長は数時間ごとに交代し、立候補した学生の中から選ばれます。川島さんは、自ら立候補。開始から2時間後、隊長に任命されました。 (川島さん) 「順序としては、2小隊から3小隊、そして1小隊の順で行く。1110(11時10分)になったら自動的に発進するので、それまで休め」
隊長の最大の任務は、「決められた時間に全員を目的地に到着させる」こと。川島さんが率いる2中隊は、体力に自信のない人が集まっています。そんな中、歩く速度や休憩時間を調整しなければなりません。
他の学生から、トランシーバーで無線が飛びます。 (無線) 「10分の遅れが生じたが、歩度歩幅の変更の連絡はなかった。このまま同じ歩度歩幅で行くのか、歩度歩幅を上げるのか聞きたい」 (川島さん) 「方針としては、歩度歩幅を変えずにそのまま行って、10分の遅れは仕方ないものとする」
「隊内に体調不良者が出た」という設定が付与されましたが、歩くペースは速めずに、後で遅れを取り戻す判断をしました。 しかし午後、天候が悪化。歩くペースは上がらず、遅れは大きくなりました。
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