【特集】知られざる航空自衛隊『幹部候補生学校』に潜入 国を守るためには「結果が全て」という厳しい“指導”の日々…自堕落な生活からエリート自衛官を目指す青年の葛藤と成長に密着
予定時刻に遅れる代わりに、全員での到着を目指すのか―。 脱落者を出してでも、時間内の到着を優先するのか―。 隊を指揮する者に、判断が迫られます。
川島さんたちの隊が選んだのは、「全員を到着させる」こと。しかし、目的地には、予定時間より1時間も遅れての到着となりました。 (教官) 「最初に言ったと思うんだけど、1時間も待たせるの?助けを待っている人を。あり得ない!体が痛い?待っている人は、死にそうなんだよ!」
(川島さん) 「……」 (教官) 「使命感が全然ない。目が死んでる、腐ってるぞ」
(1中隊長・齋藤英輝3等空佐) 「我々の任務には、いわゆる“練習試合”というものは存在しません。我々が『一生懸命頑張りましたが、任務を達成できず、国の主権も守れませんでした』と言ったときに、納得される方はいないと思います。『成果にこだわってほしい』と思っているのは、我々が安全保障の最後の砦であって、後ろにはもう“守るべきものを守る盾”は、ないからです」
『指導』とは、目的に向かって教え、導くこと― 9か月間の訓練を終え、配属先へ 幹部候補として、その表情にも変化が…「信頼され、まとめ上げられるような指揮官に」
人を成長させるために必要なもの―それは、『指導』。 『指導』―それは、目的に向かって教え、導くこと。 (教官) 「我々は、結果が全て」 人を守るために、彼らは何をすべきか―。
(川島さん) 「まだまだ、幹部自衛官としての自覚と姿勢は足りないです。もっと成長しなきゃな、と」 チャレンジをすればするほど、指導を受ける機会は増えます。川島さんは、自らの能力を伸ばすため、あえて難しい隊長にもチャレンジしました。
(1中隊2区隊長・大塚健智2等空尉) 「積極性は、非常にあると思います。いろんな活動に対して、積極的に『役職、自分がやります』と言えるので」 (川島さんの同期・茂庭成海さん) 「なかなか積極的にいけない子もいる中で、(川島さんは)自分からみんなに声をかけて」
9か月間、川島さんは厳しい指導と向き合ってきました。最初は、『指導とは、ただ怒られること』だと思っていましたが…。 (川島さん) 「幹部としてどういう人間になるべきかということは、再三指導は受けたんですけど、全て頭に入れて、どう行動すべきなのかと常日頃から考えて、行動していました。『言われている内は、まだ成長できると思われている』と思っています」
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