「同一人物に思えない」圧倒的な演技…“カメレオン俳優”・染谷将太が出演した漫画実写化作品を振り返る
■その立ち振る舞いは一度見たら忘れられない…「インパクト大なキャラクター編」
漫画作品には誰しもが一度見たら忘れられない強烈な個性を持つキャラクターが数多く登場するが、それを憑依させてしまうのも染谷さんならではの点だろう。 たとえば、2015年に公開された『バクマン。』(原作・大場つぐみさん、作画・小畑健さん)では、主人公らを抑え人気投票で1位を獲得するほどの超人気キャラクター・新妻エイジを演じた染谷さん。 二人の少年がタッグを組み漫画家を目指し奮闘する物語の本作において、彼らに立ちはだかる売れっ子漫画家がエイジである。 エイジは徹頭徹尾、すべてを“漫画”を描くことに賭けたいわゆる“変人”だ。染谷さんはエイジに“孤独”と“純粋性”という二つの要素を見出し、その結果、ただハイテンションなだけではなく、どこか醒めた一面も持ち合わせた独特の“新妻エイジ”を生み出した。 また、あまりにも予想外の姿で視聴者を驚かせたのが、羽海野チカさんの漫画が原作の『3月のライオン』に登場する二海堂晴信だ。 二海堂はプロ棋士として戦う高校生・桐山零の“心友”を自称している男子学生で、どこか鬱陶しい一面を見せつつ、しかし独特の熱さを持つ零の頼れる友人である。 原作での二海堂はいわゆる“ぽっちゃり体型”のキャラなのだが、染谷さんは特殊メイクを施し、彼独特のフォルムを完全再現。無論、零に絡む原作さながらのウザさ、暑苦しさ、しかしどこか憎めない彼の姿をも見事に表現している。その演技は必見だ。 “カメレオン俳優”と称されるほどにさまざまな役柄を演じている染谷将太さん。その高い演技力は漫画実写化作品とは非常に相性が良く、観る者を虜にする。 作品ごとにまったく異なる姿を見せる彼の名演技の数々を、ぜひご自身の目で確かめてみてほしい。
創也慎介