ロシア軍の記録的な戦車大損害はなぜ起きたか にじむ焦りと侮れない「底力」
ロシア軍は思うように前進できず、躍起になっているもよう
しかも、ウクライナ軍は戦線で人員や装備の不足に苦しんでいる。新たに数十万人の動員を可能にする法律は成立するめどが立たず、米国からの軍事援助も何カ月も停止しているためだ。 他方、フロンテリジェンス・インサイトが見て取ったもうひとつの事情は、ウクライナ側にとってより希望の持てるものだ。「伝えられるところでは、第6(戦車)連隊は防御の隙を突き、ウクライナの領土にさらに前進する任務を与えられていた」とフロンテリジェンス・インサイトは記し、こう続けている。 「これはウクライナにとって朗報である。なぜなら、弱点を利用する部隊を使って突破口を切り開こうとしているのは、ロシア軍が大きな困難に直面し、窮余の策をとっているということだと考えられるからだ」 第90戦車師団は、想定どおりには前進できそうにないと気づき、焦ったあまり、拙劣なこと、つまり防御の弱い箇所を把握したり、防御をあらかじめ崩したりする前の段階で、突破部隊を投入したのかもしれない。 その結果、無防備な後方まで突き抜けて暴れ回るはずだった第6戦車連隊は、ウクライナ軍の地雷、ドローン、そして血に飢えた対戦車ミサイル砲手にまみえることになった。
David Axe