ビール瓶ほどの大きさの生き物がはね、逃げていった…新聞に躍った「過疎の町でツチノコ騒ぎ」の大見出し 半世紀を経た今も伝説は語り継がれる
1970年代、変わったヘビの形をした「幻のツチノコ騒動」で、全国から注目を浴びた鹿児島県錦江町馬場の半下石集落。半世紀たった今も、伝説は語り継がれている。 【写真】〈関連〉ツチノコの目撃情報がある現場を案内する青木稔さん=錦江町馬場
「過疎の町でツチノコ騒ぎ」。1974(昭和49)年10月9日付の南日本新聞の社会面に、大きな見出しが躍った。地元の農業、半下石タエ子さんが朝、水田の畦(あぜ)を歩いていたところ、ビール瓶ほどの大きさの生き物がはね、逃げていった-との話題を紹介している。 ツチノコは、ビール瓶のように太い胴体が特徴の未確認生物。地元の青木稔さん(83)によると、ワラを打つ道具「ワラッゴロ」に似ており、昔から地域に住んでいると語り伝えられていた。 半下石さんが目撃した現場は、半下石公民館から1キロほど北上した林道沿い。青木さんが「かつては田んぼだった」と指さす先は草木が生い茂り、今は荒れ果てている。 当時、全国各地でツチノコの目撃情報があり、集落には多くの“ハンター”が集まった。現在は、限界集落となっているが、地域を盛り上げようと2022年、女性陣が野菜や加工品が並ぶ販売所「つちのこの里」を開いた。全国のテレビ局から「ツチノコが売っている店?」との取材が来るなど、今でも話題を集めている。
南日本新聞 | 鹿児島