JFE精密が切削工具向け新被膜開発。燕三条ものづくりメッセに出展、金型向けにも展開
JFEスチールの100%子会社のJFE精密(本社・新潟市東区、社長・山崎伸次氏)はこのほど、主力のコーティング事業において切削工具向け新被膜「VSX―ACRII」を開発した。 コーティング受託事業「ココロコーティング」は顧客から切削工具や金型を預かり、多種多様なPVD(物理蒸着法)コーティング被膜を成膜することで、硬い、滑りやすい、腐食しにくいなどの特性を付与し、寿命、生産性の向上などに寄与している。 昨年リリースした切削工具向け被膜「VSX―ACR」は、特に低~中硬度鋼材の切削加工向け被膜として多くの顧客から高い評価を得ている。同社は今回さらなる性能向上を目指し「VSX―ACRII」を開発した。従来のVSX―ACRをベースに、被膜成分や被膜構成を最適化することで被膜硬度、耐酸化温度、密着性などの基本特性はベース被膜と同等以上の性能を確保し、耐摩耗性、耐凝着性など全ての性能面でベース被膜を上回ることに成功した。 ドリル、エンドミル、スローアウェイチップなどの切削工具だけでなく、切り欠きパンチなど剪断加工向け金型でも大きな効果が確認できたことから、今後金型分野にも展開を図っていく。 同社は、24日、25日に新潟県三条市で開催される「燕三条ものづくりメッセ」に出展し、VSX―ACRIIを発表する。