“医学部卒”が実は「大企業への就職にも有利」になるワケ
医学部進学のデメリットは「学費が高いこと」くらい
採用の際に、「この応募者、医学部卒だからちょっと…」というケースはあまりないと思います。 筆者は経済学部出身ですが、本当に行きたかったのは文学部です。文学部を諦めた理由は、周囲の人々から「文学部だと就職のときに取ってもらえない」と言われたからでした。実際に文学部卒だと就職に困るのかどうかについてはわかりませんが、学生だった当時の筆者はそれを非常に気にしていたという事実があります。 筆者は高校2年生の段階で文系に絞っていたため、そもそも医学部進学という選択肢は頭にありませんでした。文系の学部というと法学部や文学部、経済学部あたりになるでしょう。先述のとおり、筆者は「文学部は就職が大変だ」と言われました。出版業界などへ行くならまだしも、例えば商社や金融など他の業界では不利だと言われ続けました。かといって「弁護士になりたい」などと思ったこともありませんから、法学部もピンときません。消去法で経済学部を選ぶことになりました。 とはいえ、経済学部は当時「潰しが効く」と言われていた学部でした。経済学科や経営学部に行っておけば卒後はだいたいどこへでも行けるよ、と。 卒後の選択肢という意味で言うと、医学部には、文学部が抱えるような“悲哀”はないと思います。「医学部出身だから、この業界へは進めない」というような話はあまり聞いたことがありません。そう考えると、医学部へ行くデメリットは「他の学部よりもお金がかかること」くらいではないでしょうか。 医学部を卒業することで得られるのは、医師免許というわかりやすい資格だけではありません。医学部卒という表記そのものにも、ある程度資産価値のようなものがあります。履歴書に医学部卒と書いてあれば、それだけの勉強に耐え、難関を潜り抜けてきた人材であることが伝わります。 例えば、本人がいくら「自分は頑張り屋です」と謳っても、個々人の忍耐力は決して測れないですし、正確に言葉にすることもできないと思います。しかし、医学部に進学したということは、それだけの忍耐力があることを示す明確な証拠になるわけです。