“医学部卒”が実は「大企業への就職にも有利」になるワケ
わが子の可能性を狭めないために、まず親自身が学ぶべきこと
選択肢を不必要に狭めてしまうと、子どもに余計なダメージを与える結果にもなりかねません。そうした意味でも、わが子に「学べ」というなら、まずは親自身が学ばなくてはいけないと思います。 親があくまで客観的な立場から意見を述べるのは問題ありませんが、それがわが子の進路を決めつけるものになってはいけません。そのために大切なのは、子どもと冷静な距離を保ち、理知的な判断からベストな選択肢を挙げるということです。 とはいえ、いざ「当事者」となると、こうしたサポートが容易ではないこともあるでしょう。筆者にも3人の子どもがいます。よその子どものことであれば冷静に話せますが、わが子のこととなるとバーッと自分の意見を言ってしまう親の気持ちは非常によくわかります。だからこそ逆に、自分にそういう側面があると知っておくことが大事です。 わが子のこととなると冷静な距離を保ちにくい、決めつけるようなことを言ってしまうといった自覚がないままでは、今まさにそうなっている局面でも気づくことはできません。逆に、自覚があれば、「つい」そうなってしまった場合でも自分自身を俯瞰して見ることができるでしょう。もし自分の考えにのめりこみ、まわりが見えにくくなっていたとしても、ある程度の距離は保てるようになるかと思います。
「医学部卒」は大企業への就職にも有利
医学部を卒業することで得られるのは、医師免許や医師という働き方だけではありません。 一般に医学部は難関であることが知られています。筆者も医学部こそ受けてはいないものの、合格に向けた準備段階が非常に大変だということは認識しています。それに耐えきった経験というのは、それ自体で資格が取れるものではありませんが、のちの人生に活きると考えています。 医学部進学までに身につけたロジカルシンキングや忍耐力は他の業種にも通用します。むしろ大企業の人事部は、そういうところを評価しているケースが多いのです。 例えば社員規模が10人程度のベンチャー企業などであれば、社長が人材採用に関わることが可能です。もし特に学歴や資格を持たない人材が応募してきたとしても、「この人材は化けるかもしれない」「面白そうだから採用してみるか」と社長自身の感覚で決めることも少なくありません。この場合、期待が外れたとしても社長自身の責任で済むでしょう。 一方、大企業となると基本的には人事部が採用を行います。15分程度の面接で人を見抜くことは不可能です。とはいえ、万一とんでもないミスマッチが生じたら責任問題になってしまいますから、前述の社長のように「感覚で決める」ということはできません。だいたいは安全牌を取りたがります(これが学歴社会の一因となっているわけですが)。つまりは、企業側にとっての安全牌を目指せば人生の選択肢を増やせるというわけです。 一般論として、医学部を卒業した人間というのは、それだけ難易度の高い受験勉強を乗り越えてパスした人々であると認識されます。人事部ではどうしても文字として現れる情報が重視されるので、「医学部卒」という経歴は、文字情報的には確実に有利に働くはずです。大企業の採用におけるスクリーニングには通りやすくなるわけです。