「バイオネスト」で落ち葉を腐葉土に再生、資源に大阪ベイエリアのホテル・ロッジ舞洲が腐葉土倍増計画
大阪ベイエリアにあるリゾート施設「ホテル・ロッジ舞洲」(キャッスルホテル・兵庫県明石市)は、自然環境との共生を大切にする「ネイチャーポジティブ(自然再興)」の理念に基づき、広大な園内で発生する落ち葉を活用する取り組みを進めている。その一環として、落ち葉を腐葉土に再生する手法である「バイオネスト」を導入。この冬季には、落ち葉の再利用比率を引き上げて腐葉土の生成量を倍増し、循環型の資源活用をさらに進める方針を打ち出している。 「バイオネスト」は、園内で発生する落ち葉を専用の枠に積み上げ、微生物の力を活用して腐葉土に再生する手法。発酵を促進するため、約2~3カ月に一度、耕うん(土壌を掘り返して柔らかくする)作業を行い、質の高い腐葉土を生成する。こうして、従来は燃焼や廃棄されていた落ち葉を資源として再利用し、園内の土壌改良や植物の成長促進、生態系の保全に役立てている。 昨冬(2023年11月~2024年2月)のシーズン中、同ホテルは、約7000リットルの落ち葉を「バイオネスト」で処理し、約400リットルの腐葉土を生成した。しかし、園内で発生する落ち葉全体の約8割は現在もファイヤーサークルで燃やされたり、資源ごみとして処理されたりしているのが現状。今後は、この未利用分を「バイオネスト」に活用する割合を増やし、資源循環のさらなる拡大を目指す。2024年度の冬季(2024年11月~2025年2月)には、園内で発生する落ち葉の約4割(約1万4000リットル)をバイオネストで処理し、腐葉土の生成量を約800リットルに増やす計画だ。 ホテルのガーデンスタッフを中心に進めているバイオネストへの取り組み。今年の11月には、地元の高校生たちが枯れ草や落ち葉を集める活動に参加した。生徒たちは活動を通じて地域環境保全の重要性を学び、集められた落ち葉は「バイオネスト」で再利用される予定。