「奄美の森に出かけよう」 松橋さん、木元さん共著第4弾 写真絵本『ドングリたべた?』上梓 鹿児島県奄美大島
神奈川県在住のカメラマン・松橋利光さんと奄美海洋生物研究会の木元侑菜さんによる写真絵本シリーズの共著『奄美の森でドングリたべた?』が30日、新日本出版社から上梓(じょうし)される。奄美大島の森が育むシイの木を巡り、多様な生き物が生活する様子を写真で捉え絵本風に制作。世界自然遺産に登録された豊かな奄美の森の秘密の一端が垣間見える一冊となっている。 本書は、ロードキルに関心を高めてもらおうと描いた前作『奄美の道で生きものみーつけた』に続く松橋さん、木元さんの4冊目の共著。2015年から奄美大島の大自然に生きる動植物の姿を追い続ける松橋さんの写真に、元アクティブレンジャー(奄美野生生物保護センター)の木元さんが、子どもでも分かりやすく理解できるようにと柔らかく文章を付けた。 今回の物語は、奄美の森の約6割を占めるといわれるシイの木を主役に、ドングリ(シイの実)を餌に集まるアマミノクロウサギやケナガネズミ、木と共生するシイタケやヤッコソウ、巣穴で子育てするオーストンオオアカゲラ、フンを食べて命をつなぐフンコロガシなど、木に恩恵を受ける生き物を中心に載せた。著者らは「食物連鎖を意識し、ドングリが多くの生き物を育んでいることを伝えたかった」と意図を説明。シイの木やドングリを頼って暮らす生き物たちを多彩に描いている。 松橋さんは「写真を見た子どもが親に、森に連れてってと言いたくなるような本を目指した」とPR。「奄美では森は見守るものという考えも強いが、もっと寛容であっていい。子どもが森へ出かける一助になれば」と呼び掛けている。 サイズはA4変形判横使いで24㌻オールカラー。税込み1870円で、アマゾンなどのネットで購入できるほか、各書店での販売も予定している。