タイガー、松山英樹が長く愛用し、世界中のゴルファーから憧れられるパターブランドの魅力を追いかけるシリーズ。第55回は20年以上前に制作された貴重な1本を紹介。 【写真】スコッティ・キャメロン「クラシック」

スコッティ氏の手仕事が光る1本

「009-029 SCOTY DALE」カーボンスチール製のクラシカ ルな009。009は、ニューポートタイプのツアーパターの名称。数は少ないが、029の数字だけが刻印されたニューポートタイプのパターも存在する

「SCOTTY DALE」は、一世を風靡したクラシックパターへのオマージュを込めて製作されたパターで、製作本数が非常に少ない貴重な1本である。 ちなみに、モデル名の009は、キャメロン氏が以前住んでいた住所の郵便番号の下3桁の数字。029は、かつてスコッティキャメロンのスタジオが置かれていた住所の郵便番号の下3桁の数字が由来となっている。

フェースのトウ部分には、ツアーブルドッグのスタンプが刻印されている。

バックフェースのキャビティ部分に見える削り跡のような模様は、パターを削り出した後に、ウェルド（溶接）でデザインされたもので、キャビティウェルディングと呼ばれている。 これは、ウェルドネック（溶接で取り付けられたネック）とのバランスを取る場合や、重量を足したい場合に、キャメロン氏がハンドワークで行うものだという。 驚くべきは、このパターがラウンドに使用されていることである。製作から20年以上を経て、実際に使用されつつ、この美しい状態を保てるのは、オーナーの深い愛情の賜物だろう。 PHOTO／Takanori Miki THANKS／スコッティキャメロン ゴルフギャラリージャパン ※週刊ゴルフダイジェスト2024年12月17日号「キャメロンマニア宣言」より