陽と人(福島県国見町)知事賞 藤寿産業(郡山市)福島民報社賞 第10回ふくしま産業賞
卓越したものづくりの技、地域活性化につながる企業活動をたたえる福島民報社主催「第10回ふくしま経済・産業・ものづくり賞(ふくしま産業賞)」の受賞者が決まった。福島県内の企業・団体から77件の応募があり、最高賞の知事賞には国見町の陽と人(ひとびと、小林味愛社長)が輝いた。女性が社長を務める企業の知事賞受賞は初めて。福島民報社賞には郡山市の藤寿産業(西村義一社長)が選ばれた。 受賞者は【表】の通り。知事賞1件、福島民報社賞1件、金賞2件、福島民報社奨励賞2件、銀賞7件、特別賞11件、夢スタートアップ賞・次代応援賞1件の計25件が選出された。 知事賞の陽と人はビジネスの手法で地域課題の解決に取り組むゼブラ企業の一つ。2017(平成29)年、元大手シンクタンク社員の小林味愛社長が、東日本大震災からの復興に取り組む県民を応援したいと国見町に移住して創業した。地元モモ農家と交流する中で、規格外で廃棄されている果実が多いことに着目。買い取って首都圏の小売店などに卸すなど活用されていない地域資源に新たな価値を吹き込み、農業者の収益増を促している。
同町特産のあんぽ柿の加工過程で除かれる皮を使った女性用ケアオイルも販売し、働く女性の健康課題の解決にも力を入れている。 福島民報社賞に選ばれた藤寿産業は県産木材の活用に向けて技術革新を重ね、高品質な製品の供給に取り組んでいる。産学連携で開発され、国内屈指の集成材工場で生産された製品は県内外で高く評価され、県産材のブランド力向上に貢献している。 集成材は東京都のJR山手線の高輪ゲートウェイ駅や2025(令和7)年大阪・関西万博のシンボルとなる世界最大級の木造の大屋根(リング)などに採用された。都心で国内最高層となる木造ビルの建築にも取り入れられるなど、需要が高まっている。 ◇ ◇ 表彰式は来年2月7日、福島市の民報ビルで行う。 ■10回記念「夢スタートアップ賞」 新設「次代応援賞」 山中煎餅本舗(喜多方)受賞 ふくしま産業賞10回を記念して福島民報社、とうほう地域総合研究所(とうほう総研)、県信用保証協会が今回設けた夢スタートアップ賞には、喜多方市の山中煎餅本舗(渡部ひとみ代表)が選ばれた。同店は今回から新たに設けられた次代応援賞にも輝いた。