「虎さん、ファイト!」 “舌好調”のチェ・ホソンが日本一決定戦でシニア初Vへ前進
<日本シニアオープン 2日目◇13日◇千葉カントリークラブ・川間コース(千葉県)◇6811ヤード・パー71> フォローでクルッと回ります【写真】 昨年、日本のプロテストに合格したチェ・ホソン(韓国)が、日本シニアツアーデビュー年になった今年、勢いを見せている。これまで6試合に出場し、最上位の2位を含めすべてトップ10入り。「今週もコンディションがいいです」と話すように、ホールアウト時点でトータル9アンダーの暫定トップと、好位置で決勝ラウンドに進む。 初日は7アンダーをマークし、単独トップのロケットスタート。その前日はティショットが安定したおかげで、チャンスにつける回数が多かったことが要因だった。しかし「きょうはティショットがストレスいっぱいです」とボールが見えなくなるほど深いラフに入れてしまうことも多く、パーをセーブすることが優先という一日を過ごす。 今大会のラフは入れてしまうと『簡単にボギーやダブルボギーになる』と、誰もが口をそろえるほど長く難しい。ホソンはティショットが安定しなかったとはいえ、そのなかでもスコアを崩すことなく3バーディ・1ボギーの「69」とアンダーパーで回り切った。「きょうの目標が2つアップだった。狙い通り!」。結果には大満足だ。 そしてこんなエピソードも。初日を終えたときに「きょうはスリープ(睡眠)が3時間。すごい暑いです。頭痛いです(笑)。不眠症があったせいで眠れなかった。パーフェクトは5時間」としっかり睡眠がとれていない。この日も「夜10時に寝て、2時に起きて、3時間半」と“ルーティン”は守れていない。原因は不明…。「5時間以上寝てしまうと体のバランスが崩れる」。体調管理との戦いにもなる。 今年は韓国シニアツアー(KPGAチャンピオンズツアー)「チャンマル建設シニアオープン」(4月23~24日)、「KPGAレジェンドクラシックシリーズ4」(8月29~30日)で2勝を挙げており、日本での試合も含め絶好調。日本のシニア初Vをこのメジャーで果たすことができれば、さらに満足いくシナリオだ。 最近は日本語の勉強も奮闘中。その成果は日本メディアの質問にすべて日本語で答える姿を見ても伝わってくる。そして、きょうも“虎さん節”で、その場を笑いで包んでいた。「土曜日、日曜日、虎さん、ファイト!」と自らを鼓舞。ゴルフも好調、トークも“舌好調”だ。(文・高木彩音)