プロテスト合格の都玲華と手束雅 2人を指導する石井忍が授けた“メンタル管理術”と“アプローチ技”とは?
調子が上がらない中でプロテスト2位の都玲華
10月29日から11月1日までの4日間、茨城県の大洗ゴルフ倶楽部で「2024年JLPGA最終プロテスト」が行われました。合格率3%台の狭き門を突破したのは26人。私がコーチを務めている都玲華選手と手束雅選手の2人も合格することができました。 【写真】二十歳で合格! これが都玲華の艶やかな晴れ着姿です
都選手は初日に2アンダーをマークして首位タイでスタートしましたが、2日目の序盤、3番と5番をボギーとしてイーブンパーまでスコアを落とします。しかし、6番でバウンスバックに成功。その後はボギーを打つことなく、バーディーを2つ獲って1アンダー(通算3アンダー)の4位タイで2日目を終えました。 「去年までならあのままズルズルいって4、5オーバーくらいになっていた」とは都選手本人のコメントです。調子が上がらない中、1アンダーでプレーしたことは「調子が良い時に好スコアを出すよりも自信になった」と語っていました。 プロでも一般ゴルファーでも、調子が良い時は好スコアでプレーできます。しかし、ゴルフは好調よりもイマイチの中でラウンドする方が多いですよね。イマイチの時にどうやってスコアをまとめるかがカギになる、と都選手にも以前から伝えていました。 例えば、クラブを短く握る、振り幅を小さくする、真っすぐ構えられているかアライメントをチェックする、ピンをデッドに狙わずにグリーンセンターを狙うなどの対策をすることが大切です。 都選手は調子が上がらなかった2日目のラウンドを乗り切り、3日目3アンダー(通算6アンダー)、最終ラウンド2アンダー(通算8アンダー)で2位タイに入ってプロテストを突破しました。 一方、手束選手の初日は3オーバー、51位タイ。順位を見ると厳しい出だしに思えますが、風がかなり強い時間帯だった第1組でスタートした手束選手は、「自分自身、よく耐えたと思っていたので不安はなかった」と冷静に分析していました。 「合格できるとも、落ちるとも思わない変なメンタルで4日間楽しんで回れました」という手束選手は、2日目1オーバー(通算4オーバー、40位タイ)、3日目1アンダー(通算3オーバー、24位タイ)と順位を上げ、最終日は1オーバー(通算4オーバー)でフィニッシュ。19位タイの合格ライン上に滑り込みました。 手束選手の勝負の1打は最終ラウンドの最終ホール(18番パー4)のアプローチでした。左足上がりの打ち上げの状況。高い球でグリーンエッジに着弾させ、カップまで1.5メートルにつけてパーをセーブしました。 「狙ったところに落とせた。あれ以上ない完璧なショットでした」とは本人のコメントです。