本邦初!アイランドゴルフガーデン宇部で地元の動物愛護団体とタッグを組み猫の譲渡会を敢行
ゴルフ場の地域貢献にはこんな形もあるのかとうなずける例を紹介しよう。
山口県にあるアイランドゴルフガーデン宇部では、保護猫の譲渡会を行っているのだ。きっかけは動物愛護団体でボランティアをしているゴルフ場従業員の1人が、ゴルフ場の周辺で野良猫を保護したことに始まる。そのことを漏れ聞いた支配人(藤田門二氏)が、地元の愛護団体とタッグを組み保護猫の譲渡会を提案したという。 それが昨年7月のことで、以来月1回ほどのペースで開催している。譲渡会とは、飼い主を探している保護猫と里親をマッチングさせるというもの。 譲渡会をゴルフ場で行うのは全国初。開催場所は同コースのクラブハウスに隣接する、以前は喫茶兼ゴルフショップだったところで、現在は使われていない建物。告知は同コースのSNSで発信し、当日の運営は愛護団体のスタッフが行う。 「参加者は一般の方がほとんどですが、ゴルフで来場して立ち寄られる方もいます。多いと50名ほど。保護猫は10~15匹で譲渡の成立はその時々で異なります。『いい取り組みだね』という声も聞かれて、ゴルフをやらない人にもゴルフ場への認知度が上がっていることは間違いないですね」 とは前述の藤田氏。ゴルフ場経営コンサルタントの菊地英樹氏は「ゴルフ場周辺には全国的に捨て猫する人が多いんです。山の中だと生きていけないだろうが、ゴルフ場なら誰か飼ってくれるだろうと、安易な気持ちで捨てていくんですね。ゴルフ場で譲渡会をやるのは地域貢献の一種ともいえます」。 同コースは旧名常盤ロイヤルCC。1975年開場。設計は小林光昭、細石憲治のコンビ。現在の温暖化を予測したような高麗の1グリーンで丘陵コース。 1グリーンなので戦略的に“緩み”がなく、宇部地域の水源である小野湖も近いので、水を配したルーティングは何度ラウンドしても飽きない。ネコの手でも借りて回ってみるか……。
週刊ゴルフダイジェスト