元巨人、オリックスの東野は内海の友情を支えにトライアウト受験
プロ野球の12球団合同トライアウトが9日、静岡の県営草薙球場で行われ、投手34人、野手24人の計59人が参加した。 あいにくの雨天で、当初一般客への開放は中止され、室内練習場でアップがスタートしたが、天候が回復したためスタンドを開放して、予定通り球場内で、投手1人が打者4人と対戦する形のシート打撃方式で、中日の落合博満GMを筆頭に12球団の編成担当がすべて揃った前でトライアウトが行われた。 評価の高かったのが、かつて巨人の開幕投手(2011年)まで務めたオリックスの東野峻(28)だ。先頭の庄司龍二(27歳、オリックス)を130キロのフォークで三振。続く西川拓喜(27歳、オリックス)を今度は134キロのスライダーで三振、森越祐人(26歳、中日)にはデッドボール、深江真澄(27歳、オリックス)には四球を与えて、2三振、2死四球で4人への登板を終えたが、ストレートのマックスは、145キロ示すなど、球威もボールのキレも『戦力外』となる男のそれではなかった。 「悪いときの体の開きが修正されてなくなっていた」と楽天の編成部の福田功氏が、そう評価すれば、ヤクルトの松井優典編成部長も「ここからもう一度這い上がってやろうという気持ちでピッチャーは変わるもの。トライアウトがいいきっかけになると思う。東野は力のあるところを見せた」と絶賛した。 独立リーグのBCリーグ・群馬のシニアディレクターに就任しているアレックス・ラミレス氏も「東野は、巨人時代と一緒のような素晴らしさを見せた。NPBに復活して活躍できるのではないか」と言う。 今季は、肘か肩に異常があったわけではなかったが、二軍でも、16試合に登板、3勝4敗、防御率8.20の数字しか残せず一度も1軍登板機会がなかった。オリックスの投手陣は先発、中継ぎと共に充実していたこともあって、割り込めなかったものだが、28日に戦力外を宣告され「結果がすべての世界なので潔くユニホームを脱ぐことも考えた」という。