マイコプラズマ肺炎、福井県が1機関当たり感染者数全国最多 11月4~10日、流行続く
呼吸器感染症の一つ「マイコプラズマ肺炎」の流行が福井県内で続いている。11月10日までの1週間に定点医療機関から報告された感染者数は1機関当たり6人で、都道府県別で最多だった。県内でも統計のある1999年以降で最多を更新し続けている。県は今後も流行が続く恐れがあるとして手洗いや換気、マスク着用など予防徹底を呼びかけている。 マイコプラズマ肺炎は発熱や倦怠(けんたい)感、頭痛などのほか、熱が下がっても、せきが3~4週間と比較的長期間続く傾向がある。「肺炎マイコプラズマ」という細菌が原因で、報告される感染者の8割近くを14歳以下が占める。 県感染症発生動向調査速報によると、県内の1機関当たりの感染者数は8月5~11日に3・50人となり、これまで最多だった2016年冬の2・50人を大きく上回った。翌週3・83人を記録した後、一度落ち着きを見せたが9月中旬から再び増加傾向に転じた。県では感染流行を受け、8月と10月下旬に学校や保育園などに対し注意を呼びかける通知を出した。 11月4~10日の県内感染者数(36人)を地域別にみると、最多の丹南が18人と半数を占めた。次いで福井市7人、二州6人、若狭4人、奥越1人。年代別では10代が35人を占めた。 県によると多くは軽症だが、重症化し入院が必要なケースもある。県保健予防課の担当者は「寒い時期になるが、換気や手洗いなどの徹底と早めの受診をお願いしたい」と呼びかけている。 全国では11月4~10日の1機関当たり感染者数は2・43人で前週から微減したが、依然として増加傾向で高い水準が続いている。都道府県別では、2番目に多いのが埼玉県4・42人、次いで京都府4・29人。
福井新聞社