「思い出のキャラは三悪」大阪の作品展で天野喜孝氏に聞く
「タイムボカン」などのキャラクターデザインを担当
画家・デザイナーの天野喜孝氏の作品展「天野喜孝展~進化するファンタジー」
「タイムボカン」や「ファイナルファンタジー」などのキャラクターデザインで有名な画家・デザイナーの天野喜孝氏の作品展「天野喜孝展~進化するファンタジー」が、グランフロント大阪北館の「ナレッジキャピタル イベントラボ」(大阪市北区)で開催されている。イマジネーションに溢れた作品の数々には思わず目を奪われるが、いったい、どのように創り出しているのか。このほど作品解説を含めたトークショーが行われたので、足を運んでみた。この日は会場入り口に観覧時間前から行列ができるほどで、まさにファン垂涎と言っていいだろう。作品展は22日まで。
デヴィッド・ボウイをイメージして描いた作品も
今回の作品展にはアニメ「ガッチャマン」や「タイムボカン」(タツノコプロ)のオリジナルセル画や、ゲーム「ファイナルファンタジー」全シリーズの原画、「吸血鬼ハンター“D”」や「アルスラーン戦記」などの装幀画に加え、パリ、ニューヨークでも評価される最新のファインアートシリーズ「Candy Girl」に至るまで、200点以上が集結。今も進化を続ける創造の世界とファンタジーの軌跡を辿ることができる。 今年1月に逝去した伝説のロックスター、デヴィッド・ボウイをイメージして描いた作品(4点)の展示も。これは大阪初となっている。これらは2004年に天野氏が米ファッション誌「V MAGAZINE」の依頼を受け、デヴィッド・ボウイをイメージして描いたシリーズだ。 さらに巨大画「DEVA LOKA」は、アルミパネルにアクリル絵具と自動車用塗料を用いて描かれており、「ファイナルファンタジー」でお馴染みのキャラクターや新しいモンスターらが蠢き、全く新しい百鬼夜行の世界を創り上げている。 トークショーでは作品を一緒に見て歩きながら、数々のキャラクターの誕生秘話などもそれぞれ語り、大勢のファンは聞き入っていた。
トークショー後の天野氏を直撃
天野氏は1967年(昭和42)、アニメーション制作会社のタツノコプロダクションに入社。「タイムボカン」などのキャラクターデザインを手がける。 1982年(昭和57)、イラストレーターとしてデビュー。1987年(昭和62)、「ファイナルファンタジー」のキャラクターデザインを担当。その後もファンタジーに溢れた作品を発表し、今も進化し続けている。近年は欧米アジア各国で数多くの展覧会を開催。そんな天野氏にトークショー後に、さらに話を伺った。 ──キャラクターの造形は難しいと思いますが、1つを生み出すのにどれくらいかかるのですか。 天野:筆は早いんです。1日20点を描く。ただ、キャラクターは世界観が違うので、世界観の構築に1か月ほどかかります。半年かかることもあります。キャラクターを生み出すためには、ひらめきが必要だし、キャラクターはゼロからの出発。世の中にないものをどう生み出すかに苦労しますね。