【高校サッカー】公式カメラマンが語る「高校サッカーは日本が世界に誇る育成システム」
12月28日(土)に開幕する冬の風物詩、全国高校サッカー選手権大会。公式カメラマンとして、40年以上にわたって大会を撮影し続けている小林洋さんに、高校サッカーに対する想いを聞きました。 ――まもなく開幕する第103回全国高校サッカー選手権に期待していることを聞かせてください。 今大会は、1つのターニングポイントになる大会だと思います。特に強烈なチームがいるとかって話ではなくて、全体的にレベルが上がってきていて、ほぼ同じレベルの同じようなチームが出てきていますよね。プレーに関しても選手のレベルが上がっています。 ゴールに近い局面でボールを持った選手がフォワードだとか、ボールを奪った選手がミッドフィールダーだとか、自陣でボールをカットした選手がディフェンダーだとか。ゴールキーパーも含めて、そういう意識がやっぱり高いチームっていうのがおもしろいサッカーを見せてくれるような気がします。 以前、欧州遠征に行ったときに現地で話したことがあるんですが、日本サッカーが強くなった要因のひとつは高校サッカーですよね。Jリーグクラブのユースと並列する形で高校サッカーがあるのは世界的にも珍しい育成システムです。このシステムはヨーロッパの人たちには理解しづらいんですよね。
そんな高校サッカーの大事なところって、入りたいと思った生徒は、誰もが入部出来るということです。高校のサッカー部には入部をことわる権利なんかないですからね。そこの学校の生徒であればね。でも、クラブチームってそうじゃないですよね。セレクトしながら絞っていきますよね。そこに1番大きな違いがあって、どっちが良いとは僕は言わないけど、やっぱり高校サッカーの場合は、自分がそうしたいと思ったら、そこに参加し続けることができる。それがとっても大切ですね。 どんな形でもいいんですよ。1軍の選手にならなくても、できることはいっぱいあります。高校サッカーの運営スタッフにも強豪校の出身者がいますけど、「どこにいたの?」って聞くと、「スタンドにいました」っていうけど、それってとっても大切なことだよね。自分がやっぱり青春時代にどこのどこの部分で何をしてたかっていうのは、とっても大切だと僕は思う。それがこの時代になってもみんなに必要なことだと僕は思うんですよね。
第103回全国高校サッカー選手権大会は、12月28日(土)に国立競技場で開幕します。