「南海キャンディーズ」山里亮太が一生忘れない恩とは
日本テレビ系「ヒルナンデス!」「スッキリ!!」、フジテレビ系「アウト×デラックス」、TBSラジオ「水曜JUNK 山里亮太の不毛な議論」など多くのレギュラー番組を持つ山里亮太さん(39)。しずちゃんとのコンビ「南海キャンディーズ」として、現在予選が行われている「M-1グランプリ2016」にも7年ぶりに参戦しています。芸人としての基本に立ち返りさらなる高みを目指す山里さんですが、今、芸人を続けているのはある先輩芸人がいたからだと言葉に力を込めます。 「南キャン」しずちゃん、武田鉄矢さんに勉強させてもらった
僕の恩人は「千鳥」の大悟さんです。 最初の接点は、もう15年ほど前になりますね。当時、僕は「足軽エンペラー」というコンビを組んでいて、TBS「ガチンコ!」という番組の「漫才道」という企画で、本当にありがたいことに優勝することもできたんです。「おぉ~、これで一気に売れるんじゃないか!!」と期待もしたんですけど、ま、そんなこともなく(笑)、オーディションを受ける日々でした。 「千鳥」さんや「笑い飯」さんもインディーズライブをしながら、同時期に(吉本興業の若手劇場)「baseよしもと」のオーディションを受けてらっしゃったんですけど、そのうち、ライブの中で僕らのことをバカにしている人たちがいるという話を聞くようになった。 「また、そんなしょうもないこと言って。お前は『足軽エンペラー』か!!」みたいに、面白くないものの代名詞として僕らの名前を出している。それを言っているのが「千鳥」さんと「笑い飯」さんだと。そりゃ、別に僕がひねくれてるとかそんなこと関係なく(笑)、普通に「なんてイヤな奴らがいるんだ…」と思いますよね。ただ、ま「本人のいないところで勝手なことを言っているような人たちには、しっかり頑張っていれば絶対に勝てる」と思って、距離をとりつつ平静を装っていたんです。
そんな中「バッファロー吾郎」さん主催の、若手を集めたイベント「バッファロー吾郎の爆笑新ネタフレッシュホームラン寄席」というのがあって「足軽エンペラー」も呼んでいただいたんです。すると、そこに「千鳥」さんも「笑い飯」さんも出ていた。そこで、衝撃を受けましてね…。というのは2組とも、メチャメチャ面白かったんです。 面白くない人から「面白くない」と言われるのは、むしろ「お前らが認めていないなんて、こっちにとったら大歓迎」という考え方もできる。面白くない人が言う「君たち、面白いね」の方が怖いというか。ま、何にしても「面白くない」と言われたらヘコみはするんですけど(笑)、面白くない人から言われているんであれば、まだ前向きな解釈も残されている。 でも、本当に面白い人から「面白くない」というのは逃げ道がないんです。能力がある人が「面白くない」と言うんだから、それが“答え”になってしまいますから。 自分の目の前で「千鳥」さんと「笑い飯」さんがどんどん笑いをとっていく。ドッカン、ドッカン、笑いが起こっている時間、その1秒1秒がこちらが「面白くない」という評価を固めていくわけですから。盛り上がっている会場の中、僕は笑うことなんて全くできませんでした。 そのイベントで、大きなショックを受けて「イヤなヤツだな」というのとは全然違う意味で、距離を置くようになりました。僕が遠ざかっていったというか…。そんな中、これもまた「バッファロー吾郎」さんがされた大阪・梅田コマ劇場(現・梅田芸術劇場)で「ご存知!ねずみ小僧次郎吉 木村ファミリー大いに笑う」というイベントにお声がけいただいたんです。そして、そこでも「千鳥」さんと「笑い飯」さんとご一緒したんです。