「無理だと思えても挑戦することでさらに成長できる」前人未踏の挑戦を続ける岩渕麗楽のスノーボードへ懸ける思い
激しい競技生活と対照的にオフで意識するのはリラックスした時間の使い方
ー スノーボードの他に好きなことや趣味はありますか? L:他のスポーツをする時間が無いのもあって、ほとんどインドアな趣味で完結することが多いです。遠征中は本を読むことや映画を観ることが好きで、特に本はミステリー系の推理小説が好きですし、映画であれば感動系をよく観ます。あと日本にいる時はパズルをやったり、写真を撮りに行ったりもします。 やっぱり普段は競技に集中してかなり激しいことをやっているので、それ以外は落ち着いてリラックスしたいと思い、読書とか映画鑑賞でゆっくりした時間を取るようにしています。あとはリラックスするために、朝早くに海へ行って朝焼けを見たりとか、私のいとこもドライブが好きなので時間が合うときは一緒に夜景を見に行ったりと、景色の良いところに行って息抜きをしたりすることも多いです。 ー 最近特にハマっている趣味はありますか? L:最近久しぶりに月9のドラマを見始めたのですが、時間がある時はそのドラマを追っかけています。今観ているのは「君が心をくれたから。」という永野芽郁さんと山田裕貴さんが主演をしている感動系のドラマなのですが、毎週月曜日を楽しみにしながら見ています。 ー オフではスノーボーダー以外の友達ともよく遊びますか? L:ちょうど明日(*インタビュー翌日の2月19日)から地元の友だちが東京に遊びに来るので、3ヶ月前くらいからスケジュールを擦り合わせて今回会う予定を作りました。大体年に2、3回くらいは地元の友達とも会ったりしています。
世界女子初の超高難度トリックを引っ提げ挑むのは世界最高峰の頂
ー オリンピック2大会連続4位というあと一歩メダルに届かなかった経験から、2年後に控えるミラノ・コルティナオリンピックへ向けての意気込みを聞かせてください。 L:2大会連続4位という結果であと一歩メダルに届かなかった中で、そのメダルがあるかないかの差は私自身すごくその壁の大きさを感じてきました。2大会共、そのとき自分ができるMAXの技を出してギリギリダメだったということが共通点ですが、前もってしっかり準備するということは今までももちろん気をつけていました。 でもいくら準備しても足りないということをこの2大会を経験して学んだので、自分に余裕ができるくらいきつい練習を今はするしかないと思って、最近はかなりメンタル的にも追い込んだ練習をしています。 ー ちなみに自身を追い込む練習を始めてから感覚的な変化はありましたか? L:大会中で技をかける時に前ほど気負わないでできるようになったと思います。やっぱり練習中から難しい技をどんどんやって恐怖心やそのトリック自体に自分を慣れさせることで、大会時の緊張を加味した上でも自分に余裕を持たせられるようになるので、こういった練習はこれからも続ける必要があると思いますし、実際この練習の成果が見られたのがこの前の「X Games Aspen 2024」だったのかなと思っています。 ー 日本は世界トップレベルのライダーが多いですが、彼らは岩渕選手にどんな刺激を与えてくれていますか? L:近しい人たちがみんな世界レベルだと、常に自分に満足することなく、良い意味で焦りもありながらモチベーションを維持できると感じています。彼らがすごいことをすると私にも火が付くことがありますし、とはいえ足を引っ張り合うような関係ではないので、お互いが自分のことに集中しながら切磋琢磨できる良いライバルになっているんじゃないかなと思っています。 ー トリプルアンダーフリップなどの超高難度トリックへ挑戦し続けることへの思いを聞かせてください。 L:北京オリンピックまでにトリプルアンダーフリップがメイクできなかったことで、「自分はこれ以上上手くなれないんじゃないか?」という限界を感じていたのが北京オリンピックの少し前の時期でした。でも実際に北京オリンピックでトリプルアンダーフリップにトライしたことで「まだ自分はもう少し上手くなれる」って思えたんです。それから自分が無理だと思うような挑戦にも取り組み続けることが、今自分が成長するために必要なことなのかなと感じています。なので今では挑戦することに対して積極的に向き合うようになったと思います。 年々、女子のレベルも高くなっていて、男子がやるような技もどんどん必要になってきています。ありがたいことにそういう技は周りの男子選手が先立ってやってくれているので、それを見よう見まねではないですが一緒に挑戦し続けながら、彼らを追っていけるように女子の中では常に新しいことや難しいことを第一線かつトップレベルでやっていけたら良いなと思っています。 ー そんな新しい技や難しい技に挑戦する時の恐怖心を乗り越えるために意識していることはありますか? L:一番意識していることは思い切りよくやることです。新しい技を雪山で挑戦する前に夏場は「埼玉QUEST」やオフトレ施設で自分に自信が持てるくらい体に技を染み込ませるようにしているので、雪山で挑戦する時は変に怖がって動きが小さくなってしまわないように、覚悟を決めて思いっきりやるっていうことだけは絶対に決めてトライしています。