「次も出します」「普通に投げるよりも飛ぶ」“ハンドスプリングロングスロー”で会場を沸かせた高知の西森吏玖、大技披露の舞台裏「体育の時間に…」【選手権】
身につけたのは中学時代
[高校選手権・1回戦]高知(高知)2-0 専大北上(岩手)/12月29日/浦和駒場スタジアム 【動画】ボールはグングン伸びてゴール前に! 西森吏玖のハンドスプリングロングスロー 武器のロングスローを活かした攻撃が冴え渡った。 12月29日に浦和駒場スタジアムで行なわれた第103回全国高校サッカー選手権の1回戦で、高知(高知)が専大北上(岩手)と対戦した。 15年ぶりの初戦突破を目ざす高知は、立ち上がりから西森吏玖と門田翔平のロングスローを駆使した攻撃で再三ゴールに迫る。すると前半12分、そのロングスローの流れからこぼれ球を拾った中城夢良のグラウンダーのクロスに市原大羅が飛び込んでネットを揺らす。 後半には専大北上にチャンスを作られる場面もあったが堅い守備で凌ぐと、25分に門田が追加点を奪取。2-0で勝利を飾り、2回戦に進んだ。 強みである飛び道具を存分に発揮した高知において、この日、一番の大歓声を浴びたのが西森吏玖だった。開始4分の敵陣左サイドでのスローインで、長い助走をつけて走り込むと、ボールを持ったまま一回転して“ハンドスプリングロングスロー”を繰り出す。このアクロバティックなプレーにスタンドからは大きなどよめきが起こり、ネット上でも注目を集めた。 試合後、本人にこの大技について訊いてみると、中学時代に身につけたものだという。 「体育の時間に体力測定で行なうハンドボール投げで友だちがやっているのを見て、自分も真似したらできて、そこから武器になりました。あの投げ方に恐怖はまったくないです。どんなグラウンドでも投げられますし、自分は普通に投げるよりもあれのほうが得意で距離も長く飛びます」 また、この秘技は勝負どころで出すように決めているようで、「全国の舞台ではやってやろうと思っていました。試合の流れや会場の雰囲気を高知側に持ってこられたらと一発目に投げました。結果的に相手の脅威となり、プレッシャーを与えられて良かったです」と満足げに語った。 2回戦では優勝候補の静岡学園と激突。西森は「次も出しますよ」とにやりと笑った。 取材・文●中川翼(サッカーダイジェストWeb編集部)