沖永良部の豊かな自然再認識 和泊町、専門家招き郷土学習 初回は魚類について学ぶ
鹿児島県沖永良部島の和泊町で13日、「和泊町の歩み」執筆者を活用した郷土講話学習事業が始まった。この日は魚類分類学を専門とする鹿児島大学総合研究博物館の本村浩之教授が和泊中学校あかね文化ホールで講話。和泊、城ケ丘両中学校生徒173人が参加し、島内で見られる魚の多様性や特徴について理解を深めた。 本村教授は沖永良部島の魚の特徴を解説。サンゴを食べる魚やサンゴに身を隠す魚などを紹介したほか、同島で日本初記録種として報告されたユリタツノコやシューヤジリチンヨウジウオなど貴重な魚がいることを訴えた。 自身の仕事についても説明。魚の種類を決定する難しさに触れ、「目視や写真ではなく、標本を集めることが重要」と強調した。海外での魚類調査などの経験談もあり、子どもたちの興味を引いていた。後半は魚に関するクイズもあった。 講話を聞いた和泊中学校の生徒は「面白かった。性転換や擬態する魚がいることを初めて知った。もともと生き物は好きで、講話を通して魚への興味も深まった」と話した。 「和泊町の歩み」は5月末に刊行され、同事業は児童生徒の知識や理解、感性を深める目的。今年度は4人の講師による講話を計画している。