実は有料会員100万人いる「radiko」のビジネス的伸びしろ…広告ビジネスと新規ビジネスの尖兵として
だとしたら、これほどまでに普及したラジコの、利用者が必ず見る番組画面に、「BtoLビジネス」プラットフォームというさらなる役割を担わせるほうが自然だと思う。要するに私はラジオ好きとして、ラジオ局に儲けてほしいのだ。 ■ラジコの利用率が最も高い世代 最後に狙うべきリスナー=ターゲットの話をしたい。 もちろん、先に述べたように、基本的には番組ありきだと思うので、各番組それぞれに、狭くて深い(≒マニアックな)リスナーを確保していくことが先決なのだが、加えて、ラジコが、ひいてはラジオ業界が狙っていく戦略ターゲットの選択と集中が必要ではないだろうか。
注目すべきは、先の総務省データによるラジコの利用率(全年代で13.8%)について、年齢別でもっと高いのが50代で16.6%、それを追うのが40代で16.3%という事実である。この2層への強みを手がかりにするべきだと考える。 言いたいことは、ラジコに食い付いている40~50代=「X世代」を戦略ターゲットとして、さらに掘り起こしていくべきだということだ。 「Z世代」は、先のように「推し番組」での獲得を狙う。逆にシニア層には、ラジコではなく通常受信の地盤がまだある。そこでラジコを軸に、業界全体で「Z世代」を狙う。高いと言っても利用率がまだ2割に達していない「Z世代」をラジコの戦略ターゲットとして利用促進し、ラジオのある生活に引き込む。
この世代は、「ラジオのいい時代」を知っている最後の世代といえる。もっと具体的に関東地区でいえば、ラジオスター・伊集院光世代であり、今ナイツのフリートークに耳を澄ましている世代だろう。 ■「Z世代」と「シニア」の間にいる「X世代」の可能性 「X世代」だから、まだ「シニア」ではなく(少なくともシニア自意識はなく)、まだまだ活動的で、消費意欲も高く、かつ「Z世代」ばかり意識して大騒ぎしているテレビメディアやネットメディア、逆に粛々とシニアシフトしている活字メディアに対して、疎外感を感じ始めている世代でもある。