実は有料会員100万人いる「radiko」のビジネス的伸びしろ…広告ビジネスと新規ビジネスの尖兵として
私は広告代理店出身で、かつ現在ラジオDJ(BAYFM『9の音粋』月曜日)をしているという、ちょっと変わったプロフィールの57歳である。子供の頃からのラジオ好きで、ラジオ業界が反転攻勢してくれないかと、ずっと願っている。 というわけで、ここからは、ラジオ業界がどのように成長していくべきか。元広告マン&ラジオDJ&1人のラジオ好きとして考えた提言を述べる。一部、釈迦に説法、もしくは素人目の意見があるかもしれないが、ラジオ愛の発露として許してほしい。
もちろん、そのキーはラジコだ。 ■ユーザー100万人なら全国のマニアに届く まずは、既存の広告ビジネスの活性化に向けて。 1つは導入済みの「ラジコオーディオアド」の認知度を高めることだろう。「ラジコオーディオアド」とは、「番組中に配信され、ユーザーごとにターゲティングができるデジタル音声広告」のこと。いかにもトラッドなイメージのあるラジオ広告のあり方を一新させる仕組みだと思う。 次に提案したいのは「マニアセグメント」だ。ラジオの規模感を逆から見れば、テレビではあり得ないマニアックな番組によって、狭く深いマニアリスナーに訴求することができるという強みが見える。そう言うとパイが小さそうに聞こえるが、今や、100万人を抱えるラジコのエリアフリーによって、全国のマニアに届く可能性が広がっている。
不肖、私の音楽番組も、けっこうマニアックなのだが、全国のリスナーに支えられている。いただくメールのうち、感覚的にいえば3分の1ほどは関東エリア以外からのものだ。 ということは「マニア向けの番組×マニア向けの広告」という構造に可能性が見出せる。もっと番組(コーナー)の内容と連動した、より限定的な「マニアセグメント」の広告展開を追求するべきではないだろうか。 あと思うのは、「ラジオショッピングの活性化」である(これはラジコとの直接の関係はないのだが)。