実は有料会員100万人いる「radiko」のビジネス的伸びしろ…広告ビジネスと新規ビジネスの尖兵として
聴いていて、もったいないと感じるのは、ラジオショッピングの枠に入った途端、原稿棒読みになるパーソナリティが多いこと。結果、商品の魅力がリアリティを持って伝わらず、また、番組本編から独立した感じとなり、リスナーの「聴取熱」が下がる場合が多そうなのだ。 もっと番組本編とシームレスに、パーソナリティ自身の言葉と世界観の中で、商品を語るべきではないか(その点、ショッピングキャスターの物まねを執拗に続けることで、番組の世界観に引き込むABCラジオ『ますだおかだ増田のラジオハンター』の増田英彦は賢明だと思う)。
■ラジオ界の新規ビジネスとして期待できること 以上を既存ビジネスの拡大とするならば、ラジオ界としての新規ビジネスとして期待したいのが、ラジコをプラットフォームとした、「BtoB」ならぬ「BtoC」、つまり「BtoL(Business to Listener)ビジネスの活性化」であり、これが今回の本論である。 上記、既存広告ビジネスの商流は、広告主からラジオ局に広告費が流れる構造だ。つまり俗に言う「BtoB」(企業間取引)であり、その商流に消費者=リスナーは存在しなかった。
しかし、スマホ(PC)の中のラジコは、ラジオ局とリスナー1人ひとりを直結するメディアである。ということは「BtoLビジネス」のプラットフォームになり得るのだ。 ラジコをヘビーユースしていて思うのは、番組ごとの画面(アプリでいえば上部に番組ごとの画像の入っている、あの画面)が、なぜまったく動かず、情報も変わらないのだろうということ。 番組内容の展開に即して、もっと多様な情報を可変して組み込めるはずだ。例えば、ラジオショッピングの時間になれば、せめて商品の画像をラジコに載せるべきだろう。また電話だけではなく、ラジコの画面にもレスポンスの入り口を作ってもいい。
さらにはテレビ番組よりも(狭いけれど)深い、コアなファンリスナーを多く抱えている番組も多いのだから、そんなリスナーに対して、番組のスピンオフコンテンツや関連グッズの販売、イベントの優先予約、クラウドファンディングなど、局への課金プラットフォームとして、ラジコ(の番組画面)を活用すべきだと思う。 このあたり、番組の公式ホームページが受け皿でも問題はないのだが、ラジオファンならわかるとおり、ホームページは、局ごと、番組ごとに驚くほどバラバラで、かつUI(ユーザー・インターフェース)のこなれていないものが多い。