「筋トレを一切せず」 アームレスリング日本王者に。“最強の腕”を作った“最高の環境”
フランスのヘルスケアデバイスを手がける企業「Withings」の調査によれば、日本人の筋肉量の低下は国際的にも顕著だというデータが存在する。しかし、これはあくまで平均の話。 人間離れした腕の筋肉を武器に、世界を相手に真っ向から戦い続けているのが、福島県郡山市に住む宍戸俊之さん(35歳)だ。一体どんな人物で、どんな生活をしているのか。本人を直撃した。 ⇒【写真】前腕の太い部分で40センチ、上腕にいたっては50センチにも及ぶ
前腕が40センチ、上腕は50センチ…
身長188センチ、体重140キロと全体的に厚みがあり、まるでキン消しのようなフォルムだ。なかでも特に目を引くのが腕の太さだ。前腕の太い部分で40センチ、上腕にいたっては50センチにも及ぶ。これだけ太いと、生活に支障が出ている部分もあるようだ。 「とにかく服がありません。袖が通らないんですよね。普段の服もそうですし、仕事用の作業着にも着れるものがなくて。(腕に加えて)肩の筋肉も大きくなってきたので、スーツも既製品は無理なのでオーダーしています」
アームレスリングの戦法は「数百通り」
東京出身の宍戸さんは、スポーツが盛んな学校で学生生活を送り、野球・ラグビー・バスケットボールなど様々な競技を経験。しかし、10年前に仕事の都合で福島県に引越したことにより、環境や人間関係が変化し、身体を動かす機会が減っていた。そのタイミングで知り合いから「競技としてのアームレスリング」を勧められる。 「最初は興味本位でしたが、シンプルに見えてとても奥が深いと気づいて。遊びの腕相撲なら、検索すればすぐに勝つための『コツ』が出てきますが、アームレスリングはまず自分にあった戦い方を見つけなくてはいけませんし、相手によっても戦法を変える必要があります。ある程度パターン化しているとはいえ、その戦法は数百通りも存在します」
「筋トレを一切しない」のに、全国大会で3連覇
こうしてアームレスリングの沼に深くハマっていった。新しくスポーツを始めるには遅いようにも感じられる年齢だが、その才能は一気に開花することとなる。 「全国ではまだまだでしたが、競技を始めて1年で福島県の3位になりました。色々なスポーツを経験していたから、筋肉の使い方を理解するのが早かったんだと思います」 そして、2017年には福島県大会で優勝。さらには、2021年には日本アームレスリング連盟の全国大会で優勝し日本一に輝き、2023年に3連覇を達成。向かうところ敵なしの状態だ。 さて、“日本最強の腕”ともなれば、圧倒的な太さも納得。一体どんな筋トレで研鑽を積んでいるのだろうか。 「実は私、筋トレを一切しないんですよ。アームレスリングのトレーニングもイメトレと実践をひたすらやるだけです」