是非論沸騰の森保監督のA&五輪代表兼任をいつ解くべきか?
トルシエ監督はシドニー五輪前年の1999年で、フル代表の国際Aマッチをわずか7試合しか組んでいない。まずは五輪世代の強化・育成に全力を注ぎ、出場権獲得後の2000年から既存のフル代表組との融合を開始。世代交代を成功させたことが、ワールドカップでの躍進につながった。 ひるがえって森保監督は、トルシエ監督のようにフル代表を“捨てる”シーズンを作れない。ワールドカップ予選と東京五輪世代の活動がすべて重複する日程に、シドニー五輪時とは比較にならないほど激増した若手の海外移籍が拍車をかける形で、兼任監督体制は破綻に近い状態にある。 東京五輪まで残された時間を考えれば、中途半端な形を余儀なくされ続けている兼任を一刻も早く解消。敵地で行われた10月の国際親善試合で、U-22ブラジル代表から逆転勝ちを奪う快挙へU-22代表を導いた横内コーチに、東京五輪本番の指揮を託すのが自然の流れなのではないだろうか。 (文責・藤江直人/スポーツライター)