【弥生賞】ホープフルSでレガレイラより濃い内容のシンエンペラーが本命 穴はエコロレイズ
後方馬が活躍も、穴を開けるのは逃げ、先行馬
弥生賞が過去10年でややハイペースになったのは、逃げ馬が大逃げを打ってマカヒキの後方一気が決まった2016年のみ。かなりのスローペースになったのは4回だが、ややスローから平均ペースが5回と皐月賞の前哨戦らしく、基本的にはスローペースになりやすい。 【弥生賞2024 推奨馬】前走タイムは世代屈指の好タイム、複勝率50%データにも該当! SPAIA編集部の推奨馬を紹介(SPAIA) 過去10年では中団より後方の馬が活躍しているが、穴は2017年8番人気2着のマイスタイルのような逃げ馬や2022年9番人気3着のボーンディスウェイのような先行馬。中団ぐらいからメンバー最速で上がってこられるいわゆる素質馬が有利だが、穴になるのは展開上、恵まれる逃げ、先行馬だ。
能力値1~5位の紹介
【能力値1位 シンエンペラー】 凱旋門賞馬ソットサスの全弟という素晴らしい血統馬。11月の東京芝1800mの新馬戦を2、3列目から最後まで減速することのない優秀な内容で勝利し、次走の京都2歳Sでは出遅れたが、中団からしぶとく抜け出して優勝。続く前走のホープフルSでも2着と好走した。 前走では6番枠から五分のスタート。促されて1~2角で2列目の最内を確保した。3~4角でペースが落ち、ブレーキ気味で仕掛けを待たされ、4角で外に逃げそうになってやや外に膨らんだ。そこで外のアンモシエラに接触しかけたが、直線序盤で早々と抜け出し、後続との差を一気に広げた。ラスト1Fでやや甘くなり、そこをレガレイラに差し切られて3/4差で敗れた。 しかし、前走は差し有利の展開。2列目から早め先頭に立ったシンエンペラーは勝ち馬以上に内容が濃く、負けて強しだった。前走で厳しい流れを経験したことも持久力強化に繋がる可能性が高い。ここも当然有力。本命候補だ。 【能力値2位 シリウスコルト】 福島芝1200mの新馬戦を勝利。当時の内容は可もなく不可もないようなものだったが、次走で新潟2歳Sに出走すると、やや出遅れて後方から最短距離を立ち回り、上位馬には離されたが、最後の直線でよく伸びて5着と大健闘した。そして芝2000mと2Fの距離延長となった前々走の芙蓉Sでは、さらに指数を上昇させた。 前々走は5番枠から五分のスタートだったが、それまで短い距離を使われていたため、前進気勢があり、それをコントロールしながら好位の中目まで上がった。1~2角で外に誘導するとそのまま先頭に立ってしまいそうな勢いだったが、前の馬の後ろに収めるとその後はスムーズ。3~4角では外から楽な手応えで前にプレッシャーをかけ、先頭列で直線へ。ラスト1Fで逃げ粘るドゥレイクパセージを競り落とし、2馬身差で完勝した。距離延長で長く脚を使って早め先頭で勝利とは驚かされた。潜在的なスタミナが豊富のようだ。 前走のホープフルSは前々走で自己最高指数を記録した後の休養明けの一戦で、ベストコンディションではなかったと推測される。差し有利な展開を中団中目から3~4角で上手く最内を通って、4着争いからアタマ+クビでの6着と、シンエンペラーとの比較では明らかに物足りなかった。ひと叩きされての巻き返しが期待できるが、同馬との逆転はどうか。 【能力値3位 ダノンエアズロック】 新馬戦で上手く2番手で折り合って勝利したあと、ひと息入れて疲れを取り、万全の状態で迎えた前走のアイビーSでは1着。前走は1番枠から好スタートを決めて、外のホウオウプロサンゲを行かせて2番手でコントロール。超スローペースだったが上手く折り合ってレースを進めていた。最後の直線では先頭のホウオウプロサンゲが後続を引き離したが、これをゴール目前で差し切って3/4差で勝利した。 このレースでは後のホープフルSの覇者レガレイラを完封しており、指数は優秀。上がり3Fタイム32秒7も素晴らしかった。ダノンエアズロックはトップスピードに秀でたタイプ。今回は始動戦で叩き台の意味合いもあるだけに、雨が降ってタフな馬場になった場合には不安もあった。しかし、レース当日は晴れ模様。それなら対抗評価としたい。 【能力値4位 トロヴァトーレ】 中山芝2000mの新馬戦はやや縦長の隊列の真ん中付近でレースを進めて同週の中山芝最速タイの上がり3Fタイムで完勝。それ以来の休養明けの一戦となった前走、葉牡丹賞では馬体重10kg増と、筋力アップして成長している姿を見せた。 前走は1番枠からまずまずのスタートを切って、外のロジルーラーを行かせて2列目の中目。1~2角でコントロールして向正面では3列目の最内を追走した。3~4角で中目に誘導し、4角で外を狙ったが出せずに直線序盤では前が壁。そこでワンテンポ待って外の1頭分のスペースを割ってスパッと伸び、そのまま突き抜けて2馬身差で完勝した。 トロヴァトーレは中山芝2000mでメンバー最速の上がりを駆使して2戦2勝。ともに超高速馬場かつ超スローペースを上がりの競馬で勝利しており、ダノンエアズロック同様に馬場がタフになった場合の不安はあったが、レース当日は晴れ模様。また、弥生賞は前哨戦らしくスローペース傾向のレースで、本馬の適性の高さが生かされそうだ。 【能力値5位 シュバルツクーゲル】 中山芝2000mの新馬戦はスタートでややアオって出遅れたが、挽回して2番手を追走し、最速の上がり3Fタイムで勝利。上がり3Fは35秒0だが、前日の6Rまでは重馬場で時計を要していたことを考えると、同日の中山芝の中ではかなり優秀だった。字面上の走破タイム、上がり3Fタイムが平凡だったせいか、次走の東京スポーツ杯2歳Sは8番人気と低評価だったが、それを覆して2着と好走した。 前走は1番枠からまずまずのスタートを切って、外のテリオスルルを行かせて離れた2番手を追走。テリオスルルが淡々と逃げ、4馬身ほど離された位置で3角に入った。3~4角では最短距離から同馬との差を1馬身半まで詰めて直線へ。序盤で外に誘導して追われ、ラスト2Fでテリオスルルを捉えたが、外からシュトラウスに並ばれ、クビほど前に出られた。ラスト1Fではさらに離されたが、ファーヴェントの追撃をハナ差で凌いで1馬身半差の2着となった。 東京スポーツ杯2歳Sはクラシックの登竜門と言われているレースで、イクイノックスが優勝した年と比べると明確に見劣るが、平凡でもない。シュバルツクーゲルはシンエンペラーの京都2歳Sやトロヴァトーレの葉牡丹賞と同等の指数を記録している。今回は皐月賞の前哨戦だけに、シンエンペラーやダノンエアズロックが折り合いに専念する競馬をした場合、前で戦える強みを生かして、人気薄で好走しても不思議はない。