熊本の強制不妊訴訟、2人和解 死去原告遺族「無念」
旧優生保護法(1948~96年)下で不妊手術を強制されたとして、熊本県の2人が国に損害賠償を求めた訴訟は7日、福岡高裁(松田典浩裁判長)で和解が成立した。国がそれぞれ1500万円の慰謝料を支払う。亡くなった原告渡辺数美さんの訴訟を承継した親族は「生きて結果を見ることができていたらと思うと、無念でならない」とコメントを出した。 提訴から実名で被害を訴えてきた渡辺さんは控訴審結審後の2月、自宅で亡くなっているのが見つかった。79歳だった。 もう1人の原告川中ミキさん(78)=仮名=は記者会見で「子どもたちと普通に話したり食事をしたりして、だんらんの時を過ごしたかった」と語った。