「プラダ」がNASAの有人月面着陸計画“アルテミスⅢ”で使用する宇宙服を初公開
「プラダ(PRADA)」は10月16日、イタリア・ミラノで開催された国際宇宙会議“インターナショナル アストロノーティカル コングレス(International Astronautical Congress)”でアクシオム・スペース社と共同開発した宇宙服“アクシオム船外活動ユニット(AxEMU)”のデザインを初公開した。 【画像】「プラダ」がNASAの有人月面着陸計画“アルテミスⅢ”で使用する宇宙服を初公開
「プラダ」の技術を用いて機能性と快適さを実現
同スーツは、外層デザインと素材選定を2社が共同開発したもの。「プラダ」のデザイン・製品開発チームは、アクシオム・スペース社のエンジニアと協力し、月面の厳しい環境から宇宙飛行士を守ると同時に、将来の宇宙探査への意欲を視覚的に駆り立てるような、特別仕様の素材を考案。「プラダ」の持つ先進技術や縫製方法を用いることで、素材の性能を向上させながら、宇宙飛行士の快適性をかなえることに成功した。同スーツは、男女問わずさまざまなクルーに対応でき、宇宙遊泳では8時間以上、月の南極における極端な低温下でも2時間以上は活動できる。
現在、同スーツは開発の最終段階で、今後は有人水中試験や有人月面探査車を使った総合試験などを実施した後、2025年に詳細設計審査に入る予定だ。
アクシオム・スペース社のマット・オンドラー(Matt Ondler)社長は、「我々の精鋭チームが宇宙服開発を再定義し、画期的なソリューションへの新たな道筋を確立するとともに、最先端のデザインアプローチをAxEMUに応用した。また、プラダのパートナーシップは異業種間協力の新たな基盤モデルを打ち出し、宇宙ビジネスの可能性をさらに広げた 」と述べた。
また、プラダグループのロレンツォ・ベルテッリ(Lorenzo Bertelli)マーケティングディレクター兼CSR担当責任者は、「本日お見せしている結果を大変誇りに思うが、これはアクシオム・スペースとの長期的なコラボレーションにおける第一歩に過ぎない。私たちは高性能素材や特性、縫製技術についての専門知識を共有し、また、多くを学んだ。これからも新しい挑戦を続け、見識を広げ、新しいシナリオを共に作っていくことだろう 」とコメントした。