夏の伝統行事存続に向けクラファン 丹波大文字保存会、資材運搬用モノレールの修理費に
京都府福知山市の新庄、奥野部両自治会有志で組織する丹波大文字保存会(和久唯知郎会長)は、8月16日の「丹波大文字送り火」に使うまきや用具を運ぶモノレールの修理が必要となるため、その費用をクラウドファンディング(CF)で募っている。目標金額は50万円。70年以上続く伝統行事を、今後も長く続けていくことができるよう、多くの人たちの協力を求めている。 姫髪山(標高406メートル)の山頂付近に「大」の火文字を浮かび上がらせる丹波大文字送り火は、京都市の五山の送り火にならって、市仏教振興会が1952年(昭和27年)に姫髪山周辺の新庄、奥野部地区の住民たちの協力を得て始めた。お盆に迎えた先祖の霊を送る夏の伝統行事として、いまは保存会と仏教振興会の共催で実施している。 運営費は毎年、自治会を通じて市民に協賛金を募り、集まった浄財は送り火当日の法要やまき代、火床の整備などに充てているが、年々協賛金が減少。伝統行事を支える保存会員の高齢化もあり、将来どのように行事を継続させていくかが課題になっている。 振興会長の正木義昭・長安寺住職(65)は「福知山市の人口減少によって、協賛金も減ってきているようですが、伝統行事なので、何とか続けていかなければなりません」と言う。 保存会は昨年、初めてクラウドファンディングを企画。今年も森の京都DMOの協力を得ながら取り組んでいる。 モノレールは約30年前に、ふもとから山の上の火床まで、まきなどを運んだりするために設置。長年の使用でレールが劣化し、傾いたり、本体の鉄の滑車が摩耗したりして、坂道の途中で止まることが多く、毎年修理をしなければならない状態となっている。 資金を集めるためのプラットフォームは「キャンプファイヤー」。支援プランは5千円から5万円までの4つあり、地元産米や厄除けの消し炭などが返礼品となっている。 受付期間は8月20日まで。保存会の和久会長(69)は「山の上には毎回、約180束のまきを上げなければならず、モノレールはどうしても必要となっています。故障すると点火することができなくなるため、多くの人たちに協力していただき、行事ができることを願っています」と話している。