アーム、クアルコムに半導体設計ライセンスの取り消し通告
[22日 ロイター] - 英半導体設計大手アーム・ホールディングスは、米半導体大手クアルコムに対して供与していた技術ライセンスの取り消しを通告した。事情に詳しい関係者が明らかにした。 このライセンスにより、クアルコムはアームの知的財産を利用して独自の半導体を設計することができる。関係者の話では、アームが契約条項に従って期限となる60日前にクアルコムに取り消しを言い渡した。 ソフトバンクグループ傘下のアームは2022年、クアルコムが同業ヌビアを買収した後、新たなライセンスに関する交渉に応じなかったとしてクアルコムを提訴しており、今回の通告はこの訴訟と関係しているとみられる。 アームとクアルコムの法廷闘争は、今年12月に米東部デラウェア州の連邦裁判所で始まる予定だ。 アームは以前、マイクロソフトの人工知能(AI)アシスタント「コパイロット」を搭載したノートパソコン向けにクアルコムが計画している半導体の設計は、ヌビアの半導体から直接技術が受け継がれており、これらの半導体向けのライセンスを取り消したと説明していた。 クアルコムの広報担当者は、アームが長年のパートナーに圧迫を加えて高性能CPUを妨害し、従来のライセンスの下で広範な権利が認められているにもかかわらず、権利料を引き上げようとしている根拠のない脅迫だと主張。「12月の裁判が近づく中で司法プロセスを混乱させるのが狙いであり、ライセンス取り消しは全く根拠に欠けており、クアルコムがアームと合意した諸権利は認められると確信している。アームの反競争的行為は決して許容されない」と述べた。 これに対し、アームは「クアルコムの度重なるライセンス合意違反を受け、当社はクアルコムに違反行為是正を義務づけ、それができない場合は契約を打ち切る行動を取るしか道は残されていなかった。当社は12月の裁判に向け準備万端で、裁判所がアームの言い分に利があると判断するとの確信に変わりはない」と反論した。