インドネシア中銀本部を家宅捜索、CSR不正疑惑
Stefanno Sulaiman Gayatri Suroyo [ジャカルタ 17日 ロイター] - インドネシアの捜査機関、汚職撲滅委員会は16日、企業の社会的責任(CSR)プログラムの不正処理疑惑を巡る捜査に関連してジャカルタにある中央銀行本部を家宅捜索した。汚職撲滅委員会と中銀が明らかにした。 中銀は捜査を尊重し汚職撲滅委に協力する方針を示した。 副主任捜査官は記者団に、中銀のペリー・ワルジヨ総裁の事務所も捜索し、関連する書類や電子機器を押収したと述べた。 副主任捜査官によると、汚職撲滅委は中銀がCSR資金の一部を複数の財団に不当に寄付した疑いがあるとみている。「すでに資金を受け取ったとされる容疑者2人を特定した」という。容疑者の名前や資金の規模は明らかにしなかったが、資金の流れは「かなり大きい」と述べた。捜査に関係する中銀関係者全員を聴取する予定だと述べた。 汚職撲滅委員会は9月、中銀など金融規制当局が運営するCSRプログラムを捜査していると表明。個人的な利益のために資金が不正に利用された疑いがあるとしていた。 ワルジヨ総裁は9月、捜査に協力しているが、CSR基金のガバナンスは厳格に行われていると反論。寄付は通常、個人ではなく、一定の要件を満たした教育、社会的地位向上、宗教団体に対して行われる。寄付先は調査をした上で選定し、一定の要件を満たす必要があるという。 国会に提出された中銀予算文書によると、中銀は昨年、社会プログラムや零細・中小企業支援プロジェクト、物価安定対策に1兆6000億ルピア(9966万ドル)を割り当てた。