不思議と一致する街角景気と日本株 その背景にあるものは?
街角景気の肌寒さが株価に織り込まれる
さて、それが株価にどう関係してくるのでしょうか。ここで景気ウォッチャーと日米相対株価(日本株÷米国株)を同じグラフに描くと、驚くほど強い連動性が確認できます。2018年以降、日本株が米国株対比で遅れを取っていたのは、その間の景気ウォッチャーが趨勢的に低下し、国内景気の肌寒さを映し出してきたことと整合的です。そして、直近では景気ウォッチャーが急低下するなか、それに追随するように日本株が下落しているのは、投資家が内需の弱さを懸念している証拠ではないでしょうか。 景気ウォッチャーと日米相対パフォーマンスの関係は、あくまで日本株の相対感を論じたのであって水準そのものに直接言及している訳ではありません。したがって、景気ウォッチャー調査が低下しても株価が上昇することはあります。ただし、街角から聞こえてくる景気の肌寒さが、日本株の相対劣後という形で、しっかりと株価に織り込まれていることを認識しておく必要があるでしょう。
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