マーベル新作『アガサ』“謎の少年”の正体が判明…“ワンダ”ともつながる伏線回収に視聴者興奮「第1話を見直しちゃった」
“稀代のヴィラン”アガサ・ハークネス(キャスリン・ハーン)が主人公のマーベル最新ドラマ「アガサ・オール・アロング」の第6話「使い魔たずさえ」が、10月17日に配信された。魔女団を結成し、「魔女の道」に挑んだアガサたちだったが、アガサと共に行動していた謎の少年ティーン(ジョー・ロック)の正体と、その過去が明らかになった。アメリカでは「#AgathaAllAlong」がX(旧Twitter)のトレンドランキング上位に入るなど、大きな反響を集めた。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】ついに正体が明らかになった…謎の少年ティーンことビリー・マキシモフ ■「あんた、本当に母親にそっくりね」 第5話の終盤、アガサがティーンの耳元で「あんた、本当に母親にそっくりね」と囁き、その言葉が引き金になったのか、ティーンの手に青い光が発し始め、ジェニファー・ケール(サシェア・ザマタ)とリリア・コルデルー(パティ・ルポーン)を操りアガサを沼に放り込んだ。そして、ティーンの頭の上にワンダ・マキシモフ(エリザベス・オルセン)のものとよく似た青い王冠が現れた。ティーンは、ワンダの息子ビリーで間違いないだろうと思われ、第6話はそんなティーンの過去のシーンから始まった。 ティーンが“ウィリアム・カプラン”という名前で「バル・ミツヴァ」(ユダヤ教の13歳の男子が迎える成人式)を行っている。儀式の後は華やかなパーティーも催され、楽しい時間を過ごす。そのパーティーに“手相占い”があり、テントに入ると魔女団の一員である予言の魔女リリアがいた。ウィリアムの未来を占ったリリアは「長い旅が待ってるわ。大きな転機となる旅で、生命線が真っ二つ」と告げる。「成長や人生の変化を表すことも多い。大人になるの」と説明するが、「逆さの塔」という謎の言葉を発した。 ウィリアムが出て行った後、すぐに小さな木片に筆で“シジル”の模様を描き、彼が置き忘れていったジャケットのポケットに入れた。ティーンに“シジル”の魔法をかけたのはリリアだった。アガサが「シジルは何かを隠す封印の魔法。シジルは術者にもかかる。必要がなくなれば消えるわ」と言っていた通り、かけたリリアもそのことを覚えていないようだ。 パーティーの途中、ウエストビューで超常現象が起こったという知らせが入り、パーティーは終了し、ウィリアムは両親と車で帰路へ。その道中、ウエストビューのほうに赤い大きな物体が見え、それに気を取られた父親は運転を誤り、事故を起こしてしまった。その赤い物体こそ、「ワンダヴィジョン」でワンダが作った大きな結界“ヘックス”だった。ここで「ワンダヴィジョン」の最終話との結びつきが明らかになった。両親は無事だったが、ウィリアムは頭を強く打ち、流血している。鼓動が消えた瞬間、「おやすみトミー」「おやすみビリー」という声が聞こえ、ウィリアムが意識を取り戻す。そのときに駆け付けた警察官の一人が、魔女団の一人アリス・ウー・ガリヴァー(アリ・アン)だった。 意識は取り戻したものの、記憶を失ってしまっていたウィリアム。そして、両親の考えていることが聞こえるようになっていた。それこそワンダの息子ビリーの特殊能力と同じ、“人の心が読める”状態だと言える。 記憶が戻らないこと、人の心が読めることを内緒にしたまま3年が経過。恋人と過ごしているときに、相手の心の声が聞こえたことで「僕はウィリアムじゃない。事故の前は思い出せない。君だけには本当の僕を知ってほしい」と切り出し、思い切って“秘密”を打ち明けた。その恋人から「君がウィリアムじゃないとしたら誰なんだ?」と言われ、一緒に事故のときのことを振り返った。ウエストビューで起こった“超常現象”のことも。 ウィリアムは掲示板で見つけた元住人と会う約束を取り付けた。その元住人とは、「ワンダヴィジョン」でワンダの兄・ピエトロを演じさせられていたラルフ・ランダル(エヴァン・ピーターズ)だった。ワンダの“シットコム”の苦悩を語る彼との会話の中で、「アガサ・ハークネスのことは聞かないでくれ」という心の声が聞こえたウィリアムは、「アガサって誰?」と聞いてしまう。彼からアガサは凶悪な魔女だということ、ワンダにはトミーとビリーという双子の息子がいたことを聞いた。トミーは動きが速く、ビリーは心が読めた、ということも。ここでウィリアムは自分が“ビリー”だと確信したのだろう。アガサは魔法をかけられ、ウエストビューで普通の住民として、いや、普通の住民を演じさせられながら暮らしていると教えてもらったウィリアムは、ウエストビューに向かった。 ■第1話の種明かし…そして“現在”へ ここからは第1話の種明かしとなる。魔法をかけられているアガサは自身を刑事だと思い込んでおり、アガサの家に侵入したウィリアムを取り押さえた。ウィリアムは「ウィリアム・カプラン」と「ビリー・マキシモフ」の名前をちゃんと告げているが、アガサには“シジル”によって聞こえていない。このあたりのやりとりは、第1話のアガサの視点と、今回のウィリアムことビリーの視点では違っていて、その真相が垣間見えて興味深い。ビリーの呪文によってワンダがアガサにかけた魔法が解けていく。 場面は現在に戻り、沼に沈められたアガサが這い上がってきた。どうやら、ワンダと同じクセがあったようで、最初からティーンはワンダの息子ではないかと怪しんでいたという。それが手から光を発したことで確信に変わった。 ウィリアムの体を乗っ取る形になったことにビリーは罪悪感を持っていたが、アガサは「自分の才能に罪悪感を持たないで。生き延びたのよ。魔女が何世紀もそうしてる。あんたは機を逃さず飛び込んだだけ。あんたは特別よ。立派な魔法使い」と称賛。ビリーは一人で「魔女の道」を進もうとするが、青い光を自分の意思で発せないことを知ったアガサは一緒に進むことに。ビリーが「魔女の道」の終わりで見つけたいのは双子のトミー。まだまだ試練が続きそうだが、険悪な雰囲気の2人に乗り切ることができるだろうか。 ウィリアムという少年が、ウエストビューの近くを通りかかったときに車で事故に遭い、息を引き取った瞬間にワンダの息子ビリーがその体に入った。リリアもアリスも“ウィリアム”に会っていたが、シジルによってそのことは忘れてしまっていた。アガサはティーンの正体をワンダの息子ではないかと疑っていたが確信に変わった――いろんな点が線になった回だと言えるだろう。 SNSにも「今回、伏線回収していて面白かった」「第6話ヤバい! 第1話を見直しちゃった」「『ワンダヴィジョン』での事件との繋がりが描かれていて興奮した」「大きな謎が明らかになって、MCUの世界が感じられる回だった」と今回の展開に驚く声や今後の展開に期待する声が多く見られた。 「アガサ・オール・アロング」は、毎週木曜に1話ずつディズニープラスで独占配信中。 ◆文=田中隆信