自民総裁選ネット討論会(全文1) 憲法改正への合意形成のあり方は?
石破氏:多くの国民が賛成してくれるものから改正するべきではないか?
石破:それでは憲法について。私が先ほど申し上げたように政府は国民に対して説明する責務を負うという条文は私はこれは誰も反対しないと思っているのですね。あるいは前文に基本的人権の尊重、平和主義と国民主権は書いてあるけれども基本的人権の尊重は書いていない。これは残念なことだったと思っています。多くの賛成が得られるもの、そして憲法の改正、今まで一度もできたことがない。民主主義国でこういうのは極めてまれです。多くの国民が賛成してくれる、そうだねと思ってくれる。そういうものからやるべきではないかと私は思っておりますが、お考えをお教えください。 安倍:私も石破さんの考え方に賛成ですよ。そういう項目が多くの賛成を得られるんであれば憲法改正推進本部で議論いただいて出していただければいいと思うんですが、昨年、議論をして4項目に絞ったんだろうと思います。そして正しければ野党が賛成してくれるかといえば残念ながらそうではなくて、ここで昨年の衆議院選挙のときに共産党の志位さんと議論したんですが、維新の党が、教育の無償化、あなた賛成ですかって言ったら賛成する。私たちはそもそもそれを主張してきたんだというのが共産党の意見だったんですよ。では憲法改正、それ書きましょうよと言ったら、私は反対ですって言うんですね。憲法改正でやるべきではないと、それは予算でやるべきだとこう言ってるんです。でも予算にすればその時々の政府が決めますが、憲法に書き込めば、まさにそれはそうなっていくのでどうですかと言っても、これはあくまでも憲法には指一本触れさせないというのが共産党の姿勢であります。ですから石破さんが言われたように共産党も賛成する、これはなかなか難しいと思います。
●憲法改正の時期はいつごろを目指すのか?
馬場:それでは討論は以上で、このテーマについては終了とさせていただきますが質問の最後にありました時期について一言ずつで結構ですので、一言で済む問題ではございませんが短く時期についてお考えを。 安倍:私から。 馬場:お二方ともお願いします。 安倍:私も自由民主党の総裁として1つの目安として次の臨時国会にはということを申し上げていますが、ただこれはあくまでも自民党の推進本部で細田本部長の下で議論していただきたいと思っているところです。 夏野:石破さんはいかがでしょうか。 石破:はい。私はスケジュールありきだとは思っていません。だけどもそれはいつでもいいということを言っているのではないのです。どうやって一生懸命、説明をするかということが時期を早くすることにつながっていくのだと私は思いますね。この条文はどういう意味なんだろう。言葉についての理解がないままでいきなり掛けるってなってはいけないことで、自民党の中でも本当に草案全部きちんと読んだ人がどれぐらいいるだろうか。条文の中身をどう理解しているだろうか。いろんな質問に誰がきちんと答えるだろうか。手続きをきちんと踏むっていうのは民主主義の基本です。それを丁寧に、しかしながら濃密にやることによって時期を早めることは可能です。まずスケジュールありきなのではありません。 夏野:ありがとうございました。 【連載】自民総裁選ネット討論会(全文2)へ続く