自民総裁選ネット討論会(全文1) 憲法改正への合意形成のあり方は?
安倍氏:共産党も賛成すべきと言うが、どこまでいけば多数派が形成か?
安倍:これをお互いに言わないと、これは議論が進みません。質問をさせていただきますが、石破さんがおっしゃったように国論を二分するべきではない、憲法についてですね。確かにそのとおりであります。なるべく皆さんに賛成していただきたい。ただ石破さんが共産党も賛成すべきだと、こう言っておりましたが、共産党はもう憲法改正する全ての行動に反対するということを明確に打ち出していますから、ほぼこれは絶望的なんだろうと、こう考えています。ですからその中で、もちろん与党の中で賛成を得るのは当然なんですが、野党にもお願いをしていくという中において、どこまでいけばこれは多数派が形成されたのかと考えるのか。あるいはあくまでも反対する人たちがいたら、もうそれは国民投票に付さないのかということをお聞きしたいと思います。私は憲法の場合は最後は国民が決めるんですから、国民の皆さまに、ある段階では政治家が決意して委ねるべきではないのかなと、こう考えています。 夏野:はい、どうぞ。 石破:はい。ありがとうございました。自民党の憲法改正草案。野党のときに一生懸命、書いたものです。私、あれを何度も読み返しました。そこに国民の権利と義務の章があります。政府は国民に対して説明する責務を負う。つまり国民は知る権利があるわけです。政府は説明する責務を負う。これが対になった形です。これに反対する政党はないんだろうと思っています。二分するようなことは避けるべきです。しかしできれば6割、7割のご賛成をいただく。それはこの憲法改正の条文はこんなことですよ。緊急事態条項にしても基本的人権どうなるんだ、そういうような懸念があります。どうやってそれに答えるか、きちんとご説明をすること。合区の解消もそうです。定数を増やすなんてことはもうあってはなりません。参議院の独自性、きちんと書き込む、きちんとご説明することが【大事です 00:13:48】。 夏野:はい。実際にこの憲法改正に当たっては多数の賛成が必要な仕組みに、国会議員の多数の賛成が必要ですし、国民投票でも3分の2以上の賛成が必要だと。 安倍:いえ、半分。 夏野:ごめんなさい。国民投票では半分で、国会議員では3分の2ということになっておりますが、石破さんはそれ以上の支持が必要というふうにお考えでしょうか。 石破:国会の3分の2もものすごく高いハードルだと思っています。その上で国民投票の2分の1。だけどそれが51対49というようなことは避けるべきだと思いますね。やはり6割、できれば7割近いご賛成をいただきたいと思っています。ただ本当に丁寧に丁寧に説明をした上で国民投票に掛けなければいけません。国会で3分の2、取ったからね、それだけでは駄目だと私は思っています。先ほど申し上げたように緊急事態条項を入れるとしたら、どういう懸念があるのか。参議院と衆議院と同じような国会が2つあってもいけない。参議院は6年の任期、高い見識、地域性も加味する、そして少数意見も尊重する、参議院はそういうものなんですよってのが議論のポイントだと思っています。ですから地方のことを考えないのか、それだけを私は言っているのではない。なんのために二院制なのかを説明することが大事です。 夏野:安倍さんはやっぱり【ホジツヨリ 00:15:20】3分の2以上をまずを目指すという、このお考えでよろしいでしょうか。 安倍:憲法にそういう規定があるんですから、そのルールを変えてハードルを高くするというのは私は間違っていると思います。6割、7割、国民の皆さまの賛成をうる、そう簡単ではありません。ではいったい、どうそれが判断できるんだということではないだろうかと思います。3分の2の多数を衆参でうることができたら、あとはできるだけの多くの国民に訴え掛け、理解を得る努力を私たちが必死にやっていって、そして過半数を取れるかどうかということではないのかと思います。日米安保もそうですが平和安全法制もずいぶん反対のほうが多かったんですが、今、平和安全法制を改正すべき、廃案にすべきと言っている人はもう2~3割しかいないんでしょうか。ですからそうやってだんだん理解が深まっていく。あるときは政治家がリスクを負いますが判断しなければいけないと、こう思っています。 夏野:はい。それでは届出順に石破さんから安倍さんにご質問を。 安倍:逆なんだな。 石破:届出順? 夏野:先ほど安倍さんが石破さんにご質問された。 石破:憲法ですか。 夏野:ええ。憲法、引き続き同じテーマです。 馬場:はい、同じテーマで。