<センバツ・平成の名場面>劇的幕切れで初制覇 第64回決勝 帝京vs東海大相模 センバツ平成の名場面
1992(平成4)年の第64回大会は、劇的な幕切れで春の王者が決まった。 決勝に進んだのは、帝京(東京)と東海大相模(神奈川)。ともに後にプロ入りした三沢興一投手(元巨人など)と吉田道投手(元近鉄)が大黒柱としてチームを支えていた。勝負の分かれ目は、双方の打線が両投手をどう打ち崩すかにかかっていた。 【王、原、清原…】センバツを彩った強打者たち 先手を取ったのは帝京。準決勝までの4試合で2試合を完封し、自責点0(失点2)の吉田投手から、8番・林俊幸内野手の2本の適時長短打で四回までに3点を奪った。東海大相模は、全試合を一人で投げ抜いてきた三沢投手を攻め、四回と七回に1点ずつ返し、3―2と帝京が1点リードして九回裏を迎えた。 粘る東海大相模はこの回、2本の安打で2死一、二塁と同点、逆転の走者を出した。ここで打席に立った3番・柴田圭内野手は右前にはじき返し、二塁走者の今井寿内野手は本塁突入を狙ったが、宮崎晃人外野手からの返球に寸前でタッチアウト。クロスプレーで締めくくられた2時間14分に及ぶ白熱の攻防に、3万人の観衆は酔いしれた。 帝京は3度目の決勝進出で念願の初優勝。80(昭和55)年の第52回大会は高知商の中西清起投手(元阪神)、85(昭和60)年の第57回大会は伊野商(高知)の渡辺智男投手(元西武など)と、後にプロ入りした好投手に完封されたが、ついに壁を破った。 ▽決勝 帝京 010200000=3 000100100=2 東海大相模